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久保建英がビッグクラブ移籍? 地元記者「“ガールフレンド候補”がたくさん現れる」【現地発コラム】

FOOTBALL ZONE / 2024年12月12日 7時50分

■ラフプレーやタイトなマークに苦戦も…レガネス戦で先制点の起点になった久保

 レガネス戦で公式戦2試合ぶりにメンバー復帰した久保建英は、厳しいマークに遭いながらも先制点の起点となり、チームの勝利に大きく貢献した。

 過密日程が続くなか、公式戦3連勝と勢いに乗るレアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督は、12月8日にアウェーで行われたラ・リーガ第16節レガネス戦に向け、3日前の国王杯2回戦コンケンセ戦(1-0)で休養を与えた久保などの戦力を戻し、スタメンを総入れ替えした。

 ほかの選手よりもリフレッシュした状態で臨んだ久保がこの日マッチアップしたのは、かつてチームメイトだったハビ・エルナンデス。彼は久保が19年8月にレアル・マドリードのBチーム、カスティージャでプレシーズンマッチデビューを飾ったアルコルコン戦で、現在トップチームの主軸であるブラジル代表FWロドリゴなどと共にスタメンに名を連ね、短期間ながらロッカールームを共有した選手である。

 定位置の右ウイングでプレーした久保は序盤から積極的に仕掛け、前半14分にカットインから正確なサイドチェンジを送り、ブライス・メンデスの先制点の起点となった。それ以降、旧知の仲であることなどお構いなしのハビ・エルナンデスによるラフプレーに苦しみ、さらにダブルマークを受けながらも、クロスやドリブル突破を狙い、イエローカードも誘発した。しかし後半に入り、レガネスに主導権を握られたことで自由にやらせてもらえず、後半33分にシェラルド・ベッカーと交代した。

 その後、チームはアンデル・バレネチェアとミケル・オヤルサバルが追加点。アイエン・ムニョス、マルティン・スビメンディ、セルヒオ・ゴメスが負傷交代を余儀なくされたことは気がかりであるものの3-0の快勝を収め、公式戦4連勝を達成。その間、1度も失点を許さず、開幕時からの課題だった決定力不足も徐々に解消され始めている。

 この勝利によりラ・リーガ成績は7勝3分6敗となり、勝ち点を24に伸ばして暫定ながら6位に浮上。失点数わずか11でアトレティコ・マドリードと並びラ・リーガ最少失点チームとなり、自分たちの武器が堅守であることを毎試合証明している。久保はここまで、ラ・リーガ16試合(先発12試合)に出場し、3得点0アシストを記録した。


ソシエダ戦が行われたレガネスの本拠地エスタディオ・ムニシパル・デ・ブタルケ【写真:高橋智行】

■レガネス戦序盤「最高の選手」 久保は「あまり見かけないタイプ」と称賛

 この試合の久保のパフォーマンスに対し、クラブの地元紙の評価は大きく分かれている。「エル・ディアリオ・バスコ」紙は、「ハビ・エルナンデスにイエローカードが出なかったのは理解不能だ。久保はあらゆる角度から殴打されたが、彼がそれに動じなかったことに一番驚かされた。背後にはいつものように2人のDFがいて、常にフリーの選手がいた。それでも相手の弱いサイドにボールを運ぶという先制点のプレーの手法を完璧に身につけている」と厳しい当たりに耐えながらも、ゴールにつながるパスを出したことを称賛し、4点(最高5点)と高評価を与えた。

 チームトップの5点はイゴール・スベルディア、ナイフ・アゲルド、ブライス・メンデスの3人。アレックス・レミーロ、ジョン・アランブル、ルカ・スチッチ、セルヒオ・ゴメス、オヤルサバル、バレネチェアは久保と同じだった。

 もう1つの地元紙「ノティシアス・デ・ギプスコア」は久保のプレーにあまり好印象を持っていなかった。「ベストの状態ではなく、チャレンジしたものの、厳しいチャージを受けて試合から取り除かれた。それらの多くは主審にファウルを取ってもらえなかった」と、ラフプレーを受けたことがパフォーマンス低下につながったと判断し、負傷交代を余儀なくされたアイエン・ムニョスとスビメンディと並ぶ、チーム最低タイの5点(最高10点)とやや低い点数をつけた。

 全国紙「AS」は最高の3点、「マルカ」紙は2点(最高3点)と、全体的に高く評価している。

 試合後、マドリードの地元ラジオ局「オンダ・マドリード」でこの試合の実況を務めたビクトル・ギジェン・ペレス氏は、レガネス戦での久保のパフォーマンスをこう語ってくれた。

「特に前半は良かった。右ウイングとしてチャンスのきっかけを何度か作り、ブライス・メンデスと上手く連携していた。この2人によってレアル・ソシエダの攻撃に、より大きな流動性と多様性がもたらされた。特に最初の20~30分間、久保はこの試合で最高の選手だった」

「私にとって久保はラ・リーガの中でも印象的な選手の1人になっている。ダイナミズムにあふれ、常に動き回っている素晴らしいドリブラーだ。今日のサッカー界ではあまり見かけないタイプの選手だよ。前線のあらゆるプレーに上手く対応でき、連携プレーに優れたレアル・ソシエダのサッカーにフィットしている。さらに得点力も兼ね備えており、チームでトップ3に入る選手だと思う」


レガネス戦後、久保建英について語ったラジオ局「オンダ・マドリード」のビクトル・ギジェン・ペレス氏【写真:高橋智行】

■レアルでは「選手たちの絶好調だった時期と重なってしまった」

 今季前半戦も終わりに近づき、移籍に関する話題がちらほらと聞こえ始めているなか、ペレス記者は久保について「具体的な話については分からない」と信憑性の疑わしいスペインメディアの情報については知らない様子だったものの、来夏、大きな動きがある可能性を示唆した。

「移籍の可能性については先ほど、オンダ・マドリードの中継で『彼はヨーロッパのビッグクラブでプレーできる可能性のある選手だ』と実況したばかりだよ。もちろんレアル・ソシエダがビッグクラブじゃないという意味ではないけどね。ただシーズンが終わる頃、久保に“ガールフレンド候補”がたくさん現れるのは間違いないだろう。レアル・マドリードでプレーできなかったのは、同じポジションの素晴らしい選手たちの絶好調だった時期と重なってしまったからだと思う。その時から大きく成長した今、ヨーロッパのどのビッグクラブでも十分通用すると私は思っている」

 今季は開幕直後こそ大きく躓いたソシエダだったが、今年も残すところあと3試合となるなか、ラ・リーガとヨーロッパリーグで難敵を破り、国王杯では若干苦しみながらも3回戦に駒を進めている。レギュラーの座を確固たるものにしている久保が、チームとともに今の調子を維持していき、最高の形で2024年を締めくくれることを期待したい。(高橋智行 / Tomoyuki Takahashi)

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