引退試合のイニエスタ「ライセンス取る」 指導者キャリアに言及「どこに進むか見てみよう」

■12月15日に味の素スタジアムで引退試合を実施

　元スペイン代表でヴィッセル神戸でもプレーしたMFアンドレス・イニエスタの引退試合「AMUSE EL CLASICO in TOKYO presented by VITAS」が12月15日に味の素スタジアムで開催され、4万5725人の大観衆のなかでプレー。試合後には「皆さんとこの時を過ごせたことは一生忘れることはありません」と話した。

　イニエスタはFCバルセロナで数々のタイトルを獲得し、2010年の南アフリカ・ワールドカップ（W杯）では決勝のオランダ戦で延長戦の決勝ゴールを奪いスペインの初優勝に貢献。欧州選手権（EURO）の連覇も原動力として活躍した。神戸への加入が発表され日本にやってきた18年夏からしばらくは、アウェーゲームも神戸戦のチケットが軒並み完売になる「イニエスタ効果」も巻き起こした。昨年限りで神戸を退団し、今年はUAEのエミレーツ・クラブでプレーしたが10月に引退を発表。その輝かしいキャリアに幕を下ろしていた。

　現役時代に長年過ごしたバルセロナと、永遠のライバルでありレアル・マドリードに縁のある選手を集め、双方の「レジェンズ」として行われた試合は、引退試合とは言いつつも往年の名選手たちが勝負にこだわる時間になった。前半31分にバルセロナがMFシャビ、MFジュリ、FWハビエル・サビオラと、バルセロナのスペシャルとも言えるコンビプレーを炸裂させ先制。レアルは後半33分にMFハビエル・バルボラがPKを決めて追い付いた。

　アディショナルタイムにバルセロナはフリーキックのこぼれ球でイニエスタが左サイドからゴール前に浮き球を上げると、ゴール前で混戦になり最終的にはオウンゴールに。バルセロナ・レジェンズが2-1で勝利した。

　試合後のセレモニーで家族から花束を受け取ったイニエスタは「日本に戻れて大変うれしく思います。私にとって日本は何年も過ごさせてもらった大切な場所です。レアル・マドリードの選手たち、この場に来ていただいて誠にありがとうございます。FCバルセロナ、私のチームメートの皆さん、このような試合ができてうれしく思いますしこのような場を共有できて大変うれしく思います。最後に日本のファンの皆様、来ていただいたすべてのファンの方々、この素晴らしいゲームと時間を過ごさせていただいて感謝しています」と挨拶。

　そして、「僕にとってサッカーは情熱です。皆さんとこの時を過ごせたことは一生忘れることはありません」と締めくくり、万雷の拍手を浴びていた。

　その後、取材エリアではあらためて「私のキャリアは皆さんが知っても通りだと思うけど、日本におけるサッカー人生は非常に素晴らしいものになった。プロサッカー選手として、家族との時間も含め、素晴らしい時間を過ごせた。ここに戻ることができたことに、とても満足している」とコメント。

　今後のキャリアについて「私のサッカーキャリアは終わったが、時間は止まらない。これからもサッカーに関わり続けることを考えている。指導者ライセンスを取ることも考えているし、私のキャリアがどこに進むか見てみよう」と話していた。（轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada）