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イニエスタ引退で「サッカー界は偉大な人物を失った」 バルサ&レアルOBから止まぬ賛辞

FOOTBALL ZONE / 2024年12月15日 18時11分

■イニエスタが引退試合を日本で実施

 元スペイン代表でヴィッセル神戸でもプレーしたMFアンドレス・イニエスタの引退試合、「AMUSE EL CLASICO in TOKYO presented by VITAS」が12月15日に味の素スタジアムで開催された。4万5725人の大観衆の中でプレーした往年の名手たちは、口々にイニエスタのキャリアを称えた。

 イニエスタはバルセロナで数々のタイトルを獲得し、2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)では決勝のオランダ戦で延長戦の決勝ゴールを奪いスペインの初優勝に貢献。欧州選手権(EURO)の連覇もチームの原動力として活躍した。神戸への加入が発表され日本にやってきた18年夏からしばらくは、アウェーゲームも神戸戦のチケットが軒並み完売になる「イニエスタ効果」も巻き起こした。昨年限りで神戸を退団し、今年はUAEのエミレーツ・クラブでプレーしたが10月に引退を発表。その輝かしいキャリアに幕を下ろしていた。

 現役時代に長年過ごしたバルセロナと、永遠のライバルであるレアル・マドリードに縁のある選手を集め、双方の「レジェンズ」として行われた試合は、引退試合とは言いつつも往年の名選手たちが勝負にこだわる時間になった。前半31分にバルセロナがMFシャビ、MFジュリ、FWハビエル・サビオラと、バルセロナのスペシャルとも言えるコンビプレーを炸裂させ先制。レアルは後半33分にMFハビエル・バルボラがPKを決めて追い付いた。

 アディショナルタイムにバルセロナはフリーキックのこぼれ球でイニエスタが左サイドからゴール前に浮き球を上げると、ゴール前で混戦になり最終的にはオウンゴールに。バルセロナ・レジェンズが2-1で勝利した。

 レアルのセンターバックとして出場した元イタリア代表DFファビオ・カンナバーロは、ユベントスやイタリア代表でもイニエスタと対戦してきた。「バルサとの試合は困難なものが多かった」と笑いつつも「イニエスタはバルサでもスペイン代表でも常に驚異の存在であり、彼のキャリアはとても素晴らしい時間だったと思う。本日、サッカー界は偉大な人物を失ったが、そのレガシーは残り続けるだろう」と話した。

 また、先制ゴールのコンビプレーで魅了した元フランス代表ジュリは「シャビも含め、彼らとプレーするのは楽しい。日本に来るのは初めてだったし、日本のファンの前でプレーできたのも嬉しく思う」と笑顔を見せると「彼とともにプレーできたのは幸せだったし、とにかく偉大な選手だったと言える。彼と多くのタイトルを獲れたし、日本でも素晴らしいキャリアを築いたと聞いている。素晴らしい選手が本日、引退したということだろう」と話していた。

 そして「彼とは家族ぐるみで仲良くさせてもらっている」というサビオラは、「彼は偉大な選手だったし、バルサという多くの素晴らしい選手がいる中でも特別に素晴らしかった。その選手とプレーするのは僕にとっても特別な権利だと感じていたこともある。今日でサッカー人生は終わったが、今後に彼が行うプロジェクト、きっとサッカー界に良いものをもたらいしてくれると思うし、彼の将来を祈りたい」と、将来への期待を込めていた。

 満員のスタジアムで誰もが知るような名手たちがズラリと並ぶ試合を日本で開催できるのも、イニエスタの存在があってこそ。試合展開も往年の「エル・クラシコ」を随所に感じさせるようなものになっていた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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