久保、遠藤、鎌田よりも心配…欧州日本人が直面、度重なる怪我は「どう影響するか」【前園真聖コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年12月24日 18時10分
■日本代表、欧州&Jリーグ…2024年日本のサッカーシーンを振り返る
あっという間に2024年も年末を迎えた。日本のサッカーシーンで言えば、1月1日の日本代表対タイ代表で幕を開け、J1からJ3まで各20クラブで構成された初めてのリーグ戦が行われ、そして歴代最多入場者数を記録した。また日本代表は2026年アメリカ・カナダ・メキシコワールドカップ(W杯)のアジア最終予選を6試合終えて5勝1分とかつてない好調な快進撃を続けており、多くの選手は海外リーグで活躍を見せてもいる。それぞれどんな場面が印象に残ったのか、元日本代表の前園真聖氏に聞いた。(取材・構成=森雅史)
◇ ◇ ◇
早いもので2024年も残りわずかになりました。国内外の今年の日本のサッカーシーンを振り返ってみると、総じて言えばいい年だったのではないかと思います。
今年も海外リーグで多くの日本人選手が活躍しました。ヨーロッパ5大リーグ、プレミアリーグ、ブンデスリーガ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アンとすべてのリーグで、しかもビッグクラブに日本人選手がいるということも、日本人選手の評価が上がった証拠だと思います。
もちろん個々の選手を見ていくと苦しんでいる場面もあります。遠藤航(リバプール/イングランド)はユルゲン・クロップ監督からアルネ・スロット監督に代わったことで出番を失ってしまいました。しかもリバプールが首位と好調なのでなかなかチャンスが回ってこないかもしれません。
鎌田大地(クリスタル・パレス/イングランド)はチーム自体の調子が悪いので、高額年俸をもらっているということで非難のターゲットにされていると思います。それよりも心配なのは冨安健洋(アーセナル/イングランド)でしょう。度重なる怪我が今後のプレーにどう影響するか、なかなか分かりません。
怪我と言えば伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)も、加入後の7月にプレシーズンマッチで中足骨を骨折し、10月には大腿部を痛めてしまって公式戦にまだ出場していません。また、怪我がなくとも久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)はフル出場させてもらえる試合が少なく、ストレスを溜めているかもしれません。
でも、そうは言ってもほかの多くの選手たちは活躍の場を広げていて、層も厚くなったと思います。鈴木彩艶(パルマ/イタリア)などは移籍してすぐレギュラーとしてプレーしていて、すべてのポジションで日本人選手の台頭が見られた年だったと思います。
日本代表について振り返ると、やはり2026年アメリカ・カナダ・メキシコW杯のアジア最終(3次)予選で6試合を終わって無敗、2025年3月の予選で勝利を収めれば本大会出場を決めるという段階まで来ました。
こんなにスムーズに予選を進めたことは過去になく、それだけ日本の充実ぶりが際立っていると思います。1月から2月にかけて行われたアジアカップではベスト8で敗退しましたが、その後の順調な戦いを見ると、やはりあれはヨーロッパのリーグが行われている最中にチームから離れて行われた大会だったということのコンディションやモチベーションの問題が大きかったということが分かります。
その敗戦に全く惑わされることなく、その後は着実に勝利を積み重ねたことも良かったですし、多くの選手を招集できたことも今後につながるでしょう。
最後にJリーグについて。まず今年は審判のぶつかり合いに対する判定基準がかなりヨーロッパに近くなったと感じました。ただ、終盤に関してはやはりチャージに対して厳しい判定になっていったと思います。これをどこまでヨーロッパと同じようなレベルに近づけるかは、日本サッカーが世界と戦っていく中で必要なことです。
そしてクラブで言えば、今年大きな話題を提供してくれたのはFC町田ゼルビアでした。J1初昇格でずっと首位の座を守り、中盤以降は苦しんだとはいえ最終節まで優勝の可能性を残していました。
1年目でここまで奮闘したのは本当に素晴らしいと思います。いろいろ目立ったことでアンチもたくさん生んだと思いますが、それも成績が良かったから。もし下位に沈んでいたら、ここまで話題にならず、批判を浴びることもなかったでしょう。その意味では、来年もJリーグの話題が多くあふれるように、町田の2年目にも、そして初昇格した岡山にもがんばってほしいと思います。(前園真聖 / Maezono Masakiyo)
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