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半月板損傷からの強行策「20分くらいしか」 監督から一言…ハーフタイム明けに思わず涙「仕方がない」

FOOTBALL ZONE / 2024年12月29日 20時30分

■米子北3年生FW柴野惺、怪我を抱えて出た選手権への思い吐露

 第103回高校サッカー選手権1回戦が12月29日、首都圏の各会場で行われ、夏のインターハイで4強の米子北(鳥取)は、前橋育英(群馬)に0-2で敗れ、初戦で姿を消した。1点ビハインドで迎えた後半開始前、ピッチに立つ前の3年生FW柴野惺の目には涙が。目を赤く腫らした理由を、18歳FWは声を振り絞りながら語った。

 ともにU-18プレミアリーグに所属する強豪同士の一戦。ボールを握り攻勢に出た前橋育英の前に、米子北は耐える時間が続いた。徐々に自陣左サイドのスペースを突かれ始めた前半19分、アーリークロスからFWオノノジュ慶吏に先制点を献上。米子北は相手最終ラインの背後を狙いゴールに迫るも、無得点のまま前半を終えた。

 ハーフタイム明け、選手たちがロッカールームから引きあげ続々とピッチに入っていくなかで、柴野はベンチ前で涙目になっていた。前半の40分間を終え、シュート0本。攻撃の起点になり切れなかった自らの出来に悔しさが募っていた。「怪我明けっていうのは言い訳にしちゃダメなんですけど、自分の思うようにプレーできなくて」。後半12分に途中交代するまでのパフォーマンスを改めて振り返った柴野は声を震わせた。

 前橋育英との選手権初戦、コンディションは万全ではなかった。今夏のインターハイ準決勝・神村学園戦(鹿児島)で右膝の半月板を損傷。9月20日に手術し、全治6か月の診断が下った。高校最後の選手権を諦めかけたが、思いのほかリハビリは順調に進み、3か月で実戦に戻ってきた。

 もっとも、前橋育英戦での柴野は「20分くらいしか出られない」という状態。本来のプレーができず思わず涙がこぼれた。チームメイトらに背中を押されながら後半のピッチへ。「いいプレーができないのは仕方がないから。試合に出ている意味を考えて、声を出したり、ハイプレスの切り替えを頑張れ」。中村真吾監督からこう声をかけられ「だいぶリセットできました」と柴野。後半12分、交代を告げられると、チームの敗戦をベンチから見届けた。

 柴野は群馬県の強豪クラブチームと知られる前橋FC出身。ほかにも、FW鈴木颯人らが同クラブから米子北へ進んでおり、まさに運命的な対戦だった。「(選手権の抽選会を)学校で見ていたんですけど、その時めっちゃ盛り上がって。ほかの群馬組で抱き合って『マジやったるわ』ってなって」。前橋育英にもキャプテンのMF石井陽をはじめ、前橋FCで共闘した同期が揃う。選手権での“再会”に興奮を抑え切れなかった。

 前橋育英に進まず、米子北へ進んだ同期組は4人。その絆は固い。「2人はメンバー外になっちゃったんですけど、自分たちが前橋に行ってなくて、絶対勝つっていう思いで米子北へ行ったので、お互い声をかけ、気持ちを高め合いながら 楽しくやっていました」。全員が攻守に走り、チーム一丸となって勝つ米子北のサッカーに魅力を感じ、すべてを捧げた。その3年間は「個人としてのレベルアップだったり、未来を見据えていい経験ができたと思います」と、充実感を噛みしめる。

 高校卒業後は駒澤大学に進み、サッカーを続ける。「プロ選手になりたいです」と語る18歳が見据える青写真は、米子北の先輩であるドイツ1部マインツMF佐野海舟が辿った道のりだ。「もっとレベルアップして、海外に行けたらいいと思っています」と柴野。選手権で味わった悔しさを糧に、大学でさらなる飛躍を狙う。(FOOTBALL ZONE編集部・橋本 啓 / Akira Hashimoto)

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