J1オフの「ベスト補強」厳選 昇格組が実力者獲り…7クラブの新戦力が“当たり”の予感【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年12月31日 8時30分
■J1クラブ、オフのベスト補強7選手を独自厳選
来シーズンに向けて、Jリーグの各クラブは着々とチーム編成を進めている。2024年内に公式リリースされている移籍動向の中から、筆者がJ1で「これは来る!」と思った補強の7選手を厳選した。(文=河治良幸)
◇ ◇ ◇
■菅 大輝(MF/北海道コンサドーレ札幌→サンフレッチェ広島)
札幌のユース出身で、2種登録としてプロデビューした2016年から9シーズン、札幌一筋だった。19年のE-1選手権で日本代表のキャップを踏んだこともある実力者で、ここ数年は“ミシャ式”と呼ばれる3-4-2-1の左ウイングバックと左センターバックをこなしてきた。大柄ではないが身体が強く、推進力のある攻め上がりから左足のクロスとパンチのあるミドルシュートで決定的な仕事もできる。広島のシステム、戦術に間違いなくフィットしそうで、もし左ウイングバックで主力に定着できれば、東俊希をインサイドに回すケースも多くなりそうだ。
■畠中槙之輔(DF/横浜F・マリノス→セレッソ大阪)
東京ヴェルディのアカデミーでスキルを磨き、2018年の夏から加入した横浜FMで日本代表に招集、2度の優勝に貢献するなど、センターバックの主力として一時代を築いた。セレッソ大阪のアーサー・パパス新監督とはアンジェ・ポステコグルー監督時代に2年間、苦楽をともにした間柄で、戦術的なキーマンになることは間違いない。右利きだが左足の技術も高く、もともと左側のセンターバックを得意としていたが、時間をかけて感覚のズレを克服し、現在はどちらのセンターバックでも遜色ないプレーが可能となっている。
■浅野雄也(MF/北海道コンサドーレ札幌→名古屋グランパス)
浅野拓磨(マジョルカ)を兄に持つアタッカーで、左足のシュートを武器とする。サンフレッチェ広島時代はチャンスメイカーの色合いも強かったが、札幌では1年目から決定力が開花して、12得点を記録。札幌では“シャーク”の愛称が付いた。フランクなキャラクターで、ファンサービスでもサポーターと気さくに会話している姿が印象的だ。今年はチーム事情もあり、右ウイングバックでの出番も多く、怪我にも泣かされた。新天地の名古屋ではシャドーがよりメインになるかもしれない。森島司などタレントはいるが、浅野と同じタイプはいないので、間違いなくプラスになる。
■福田湧矢(MF/ガンバ大阪→東京ヴェルディ)
大畑歩夢(浦和レッズ)や植中朝日(横浜F・マリノス)と同じ小倉南FCの出身で、弟は湘南の新鋭FW福田翔生。スピードと運動量を兼ね備えたサイドアタッカーで、最近のG大阪ではサイドハーフのイメージも強いが、宮本恒靖監督(現・日本サッカー協会会長)が率いた2019、20年シーズンには左右のウイングバックで、存在感あるプレーを見せていた。怪我の多さが最大の敵で、真のブレイクを阻んできたところでもある。翁長聖と宮原和也が主力の左右ウイングバックで主力になれるだけのポテンシャルはあるが、怪我なくシーズンを戦えるかが成功の鍵だろう。
新潟から柏への移籍が決まった小島亨介【写真:徳原隆元】
■ロングスローで町田の武器となった鈴木準弥がJ1定着を目指す横浜FCへ
■鈴木準弥(DF/FC町田ゼルビア→横浜FC)
清水エスパルスユース出身であり、昨年夏にFC東京から町田に加入してJ1昇格を支え、大躍進した前半戦の主力として活躍。タイトな守備と効果的な攻め上がり、ロングスローで多くの勝ち点獲得に貢献した。シーズン終盤はチーム内の序列が下がった感はあるが、“昇格組”の横浜FCにとっては願ってもない新戦力であり、周囲とのコミュニケーション能力も高い。横浜FCは右ウイングバックの主力である山根永遠と契約更新しており、競争は激しくなるが、実力と経験を備える鈴木はJ1定着を目指すチームで、頼れる存在になっていきそうだ。
■江坂 任(FW/蔚山現代→ファジアーノ岡山)
木山隆之監督が掲げる組織的なサッカーで、プレーオフからクラブ初のJ1昇格を勝ち取った岡山にとって、柏レイソルや浦和レッズなど、J1での実績が十分で、かつチームのアイコンになるようなタレントの獲得はマストだったはず。しかも、韓国きっての強豪である蔚山でKリーグ3連覇を経験しており、色んな意味で岡山にもたらすものは大きいだろう。個人で違いを作り出す仕掛けに加えて、両足で正確なキックを繰り出すことができる。3-4-2-1の2シャドーで、すでに契約更新が発表された岩渕弘人などと、どうハーモニーを奏でていくのか楽しみだ。
■小島亨介(GK/アルビレックス新潟→柏レイソル)
最終盤まで残留を争った新潟からの加入というのは因果なものを感じるが、柏はかつて徳島ヴォルティスや浦和レッズを率いたリカルド・ロドリゲス新監督を迎えて、ボールを握りながら可変するサッカーに転換しようとしている。新潟でポゼッションをベースとしたスタイルを支えた守護神は、まさに打ってつけの存在だ。まるでフィールドプレーヤーがもう1人いるかのように、組み立てに参加しながら、守備では広範囲をカバーする。183センチと長身ではないが、腕の長さを生かしたハイボールの処理も安定感がある。今年32試合でゴールマウスを守った松本健太とのポジション争いはハイレベルになるが、その先には7月に予定されるE-1選手権での代表招集も視野に入る。(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
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