青森山田が10年ぶり初戦敗退「空回りしてしまった」 高川学園のトリックプレー対策「想定もしていた」
FOOTBALL ZONE / 2024年12月31日 15時34分
■青森山田は高川学園に1-2敗戦で初戦敗退
第103回全国高校サッカー選手権で青森山田(青森)は12月31日の2回戦で高川学園(山口)に1-2の敗戦。前回王者が大会初戦で早くも姿を消したが、正木昌宣監督は「去年の優勝、二冠を見て、そのプレッシャーと1年間戦ってくれた」とねぎらった。
前回大会を制していた28大会連続30回目の出場となる青森山田は、埼玉会場のNACK5スタジアムで第1試合に登場。こちらも6大会連続30回目の出場となる選手権常連の高川学園を迎え撃った。序盤からロングボールの応酬になったが、それは必ずしも思惑通りではなかった。指揮官は「初戦の硬さがあり、リスクを冒したくないという形になって相手のサッカーに付き合ってしまった。相手がシンプルに前へ、前へというボールがあり、我々の流れに持っていきづらかった」と話す。
両者無得点で迎えた後半立ち上がり1分、青森山田はMF別府育真が左足で巻き込むようなミドルシュートを放つもゴールポストを直撃。内側に跳ねたボールもゴールラインを割らずに得点とはならなかった。一方の高川学園は後半7分、ショートコーナーからファーサイドに入れたボールがゴールポストに当たると味方のところに跳ね、中央に入れたラストパスを大森が押し込んだ。ちょっとしたボールの跳ね返りの運は、高川学園に味方した。
高川学園は中に入った4人が円形に立って手をつないで回りかく乱する「トルメンタ」の動きから1人がボールに寄ってショートパスを受けた。指揮官は「練習はかなりやって、(相手を)想定もしていた。そんなに本数があったわけじゃないですが、ポストに当たった後のセカンドボール。そこまでやれたら、という後悔になってしまった」とこの場面を振り返った。
1点を失った後も、青森山田はなかなかリズムを変えられなかった。5バックになる高川学園は中央に3枚の強いブロックで迎え撃ち、さらに3ボランチでセカンドボールの争いを手厚くしてきた。そして、途中出場してきたフレッシュな相手FWに切り込まれてPKを献上して残り7分で2点ビハインドになった。
ここから意地は見せた。残り4分でサイドを切り崩すと、落ち着いて中央でシュートの打ちやすい位置にいたMF麓萊凜へパスを通して追撃弾。さらに、アディショナルタイムには相手選手がスローインの際に遅延行為で2枚目のイエローカードを提示され退場処分に。最後に試合の流れをつかんだかに思われたが、そこから先が続かなかった。そして、敗退を告げるホイッスルが鳴った。
正木監督は「インターハイでも(高円宮杯)プレミアリーグでも、そういう相手はいた。ひるんだわけではないんですが」としながら、初戦に対するマインドセットの機微と難しさを口にした。
「高川学園さんがこのゲームにかける思い、かなり気持ちを入れていた。それを受けたわけではないけど、プレッシャーの中で戦う中で悪くない後半の入りをして、そこでセットプレーで1本取られてしまった。不完全燃焼で終わってしまったかなと思う。気持ちの強さを前面に出してしまうところのある選手たちで、それが空回りしてしまった」
長年チームを率いてFC町田ゼルビアの監督に就任した黒田剛氏から正木監督がチームを引き継いで前回大会を制した。自身がOBでもあり、黒田氏と青森山田のチームを育成してきた正木監督はこの高校選手権の舞台について「インターハイやプレミアリーグで優勝の経験もあるけど、(選手権は)21回出て、何度出ても緊張するもの。そこにどれだけ早く慣れていつも通りにやれるかは人それぞれのところもある」と、独特の雰囲気、トーナメント戦、注目度などの要素から特別な難しさがあるという。
大会初戦での敗退は10大会ぶりとなってしまったが、正木監督は「今年の子たちは去年の優勝と、(高円宮杯プレミアリーグとの)二冠を見てきた。そのプレッシャーと1年間、戦ってきてくれた」とねぎらった。今年は高校三冠の全てに手が届かなかっただけに、来年は名実とも挑戦者として戦う1年になる。あらためて初戦の怖さを目の当たりにした次の世代が、どのような戦いを見せるのか。指揮官は「どちらの代の良いところも見てきた2年生が先頭に立ってほしい」と期待を懸けていた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
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