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1か月前から想定→PK2本ストップも…奇跡まであと一歩 2人の“守護神”がつないだバトン

FOOTBALL ZONE / 2025年1月1日 9時30分

■愛工大名電の2年生GK相原諒が途中出場でPK戦2本ストップ

 奇跡には手が届かなかったが、名門校をあと一歩のところまで追い詰めた。第103回全国高校サッカー選手権大会の2回戦、愛工大名電(愛知)は前橋育英(群馬)と対戦。2-2の後で迎えたPK戦で惜しくも敗れた。先発した3年生のGK水谷準乃右と途中投入の2年生GK相原諒の2人がビッグセーブのバトンをつないだ。

 愛工大名電は前半38分までに2失点。宮口典久監督が「ちょっと戸惑った。逃げた部分があった。最初から逃げずにできれば良かった」と振り返ったように、序盤は圧倒的に前橋育英ペースで試合は進んだ。

 だが、その後は追加点となりそうな決定機を水谷がビッグセーブで防ぐなど、それ以上の失点を許さなかった愛工大名電が後半に脅威の粘りを見せる。同16分にフリーキック(FK)からFW岩間丈一郎がヘディングシュートでネット揺らして1点差に迫ると、猛攻を仕掛けて後半アディショナルタイムにPKを獲得。これをMF蒲地壮汰が決め、劇的な展開で同点に持ち込んだ。

 すると後半終了間際に宮口監督はPK戦を見据え、水谷に代えて2年生の相原をピッチに送り出す。プレッシャーのかかる舞台でゴールマウスを託された背番号12は前橋育英のキャプテンMF石井陽と10番MF平林尊琉のキックを見事にセーブし、愛工大名電に流れを大きく引き寄せた。

 PK戦での投入は1か月以上前から想定済み。「ここで3年生を終わらせたくないと思って。1点取った時に、PKになる可能性あるだろうなと思って、気持ちの準備をしていました。先生からの教えがあったのでそれをしっかり信じて飛びました」。相原はこれ以上ない形で期待に応えた。

 しかし、愛工大名電も2人のキッカーが失敗し、勝負は8人目までもつれる展開に。そして、最後は1年生のMF中根陽向のキックが前橋育英GK藤原優希に防がれ、PKスコア5-6で敗れる結果となった。

■2人のGKがお互いの思い吐露「自信を持ってやれ」「信じている」

 敗れはしたものの、選手たちの表情は明るかった。水谷は「最初は自分たちのプレーができなくて押し込まれたり、難しい時間が続いたんですけど(監督から)ハーフタイムでもずっと明るく、諦めなければ『奇跡は起こる』ってずっと言われていたので、それができた後半だった」と試合内容への手応えを語った。

 水谷はPK戦での出番は相原に譲ったが、「自信を持ってやれっていうのと、頼むぞと言葉をかけました。練習の時も。練習試合の時もPK戦で(相原)諒が出ていました。今日も、結果的にはPKを止めて負けたので、悔しい気持ちはもちろんありますけど、今はすがすがしい気持ちです」。後輩を信じてバトンを託したことに後悔はなかった。

 一方の相原も県大会では負傷していた水谷に代わって先発の座を務めていた。この選手権でもスタメン入りへの思いがあったはずだが、「悔しい気持ちもあったんですけど、準乃右くんのことを信じているので。(先発で)出てもらって自分は支えようと思っていました」。厚い信頼関係で結ばれた2人のGKは、選手権の舞台でそれぞれが主役級の働きを見せていた。(石川 遼 / Ryo Ishikawa)

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