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Jスカウトが水面下で「動き出している」…2年生の株上昇、スタメン入り逸材に熱視線

FOOTBALL ZONE / 2025年1月2日 10時50分

■大津2年生CB村上慶の万能性が早くもプロ注目の的に

 プレミアリーグ王者の大津(熊本)において、2年生で唯一スタメンに名を連ねる181センチのCB(センターバック)村上慶は、早くもJクラブのスカウトが水面下で動き出している注目のDFだ。

 村上の持ち味はスムーズな身体操作とスピードにある。サイズのあるCBにありがちな身体操作に難がある選手ではなく、ターン、ステップワーク、そして初速の速さや瞬間的な速さも持ち、人にも強く行けるし、カバーリングのスピード、裏への対応も素早い。さらに彼は右利きであるが、左足のキック精度も非常に高い。

「小学校の時から左右問題なく蹴られるようになりたいと思っていました。僕は人に負けるのが嫌いで、当時、周りと比べて左足が全く蹴れなかったことが悔しくて仕方なかったのもあって、ずっと練習をしてきました」

 おそらくCB、ボランチとしてだけではなく、サイドバックとしてプレーをしてもスピードを生かした攻撃参加の質は高いだろうし、逆サイドからのクロスを弾ける貴重な選手になるだろう。しかも両サイドでプレーすることができる。

 まさにハイスペックな守備のユーティリティー。その点も彼の評価が高いことに起因している。

 今回の選手権、村上は190センチの3年生CB五嶋夏生とともにダブルコントロールタワーとして日本一のチームの守備を牽引している。1回戦の福井商業(福井)戦、2回戦の札幌大谷(北海道)戦と、彼は安定したカバーリングと裏への対応を見せた。しかし、今大会初失点となった札幌大谷戦の後半アディショナルタイムの失点は、「自分の判断ミス」と唇を噛んだ。

 最終ラインからロングボールが蹴り出された瞬間、村上は相手のボランチのMF笹脩大に送り込んでくると予測をして、ダッシュでラインから飛び出して前に行ってしまった。しかし、ボールは笹ではなく、村上と左サイドバックの裏のスペースに送り込まれた。結果、ボールを受けた右サイドハーフのMF中村哲爾に独走を許し、1点を返された。

「それまではきちんと対処できていた中で、あの瞬間は10番に食いついてしまった。次以降、こういう判断ミスがあると取り返しが付かなくなる。だからこそ、気を引き締めていきたいです」

 村上にとっては大きな学びとなった。さらに選手権という独特の舞台がいつもの感覚ではなく、より気を張らないといけないことも学んだ。

「昨年は選手権でベンチ入りをしましたが、1試合も出られずに終わった。今回初めて選手権を経験してみて、雰囲気が全然違う。観客の数がものすごくて、声が全然通らない。だからこそ、より夏生さんとの連係面でズレが生じないように意識をしないといけない。集中を絶対に切らすことができないですし、プレミアとはまた違う成長を得られる大会だと思います」

■打倒・流通経済大柏へ「頭は冷静にフィジカルでは屈せずに勝つ」

 次なる相手は流通経済大柏(千葉)。3回戦で早くも優勝候補筆頭がぶつかり合うというビッグマッチを迎えることになる。

「相手はEASTで高体連最高順位のチーム。本当は決勝で当たりたかったのですが、プレミアファイナルでEASTのFWとやってみて、WESTとは違う面も多々あったので、ここでEASTのFWとできるのは楽しみです。お互い高体連を背負っているもの同士、負けられないと思っていますし、最高の試合ができると思います」

 流通経済大柏のサッカーは前線からのハイプレスが特徴。当然、村上にも強烈なプレスが襲い掛かる。

「相手は大学サッカー並みの強度でくると聞いているので、立ち位置、ボールの受け方、身体の使い方などを工夫してやりたい。相手が前への強烈な矢印を向けて来るのならば、僕は逆に有効活用して外したり、ひっくり返したりしたいと思っています。頭は冷静にフィジカルでは屈せずに勝つ。それだけです」

 覚悟は決まった。あとは最高のプレーを見せるのみ。それを実現させた時、彼の周囲はまた一段と騒がしくなるだろう。それだけの才能を村上は持っている。(FOOTBALL ZONE編集部)

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