18歳の“直接CK弾”に衝撃…技で魅せたプロ内定エース、守備陣形を見て「逃さない」
FOOTBALL ZONE / 2025年1月2日 11時10分
■正確パスで局面打開、大津の10番MF嶋本悠大が持ち味発揮
まさに時間と空間を自在に操る男と言っていいだろう。プレミアリーグ王者・大津の10番を背負う18歳MF嶋本悠大(清水エスパルス入り内定)は、試合の流れの中で常に周囲を見渡しながら、相手の守備を一発で破壊するスペースを探し出し、ボールを受けたらそこに正確なパスを通す。
「僕は常に相手が見えていないところを狙いたいですし、そこに味方が合わせやすいボールを出すことを意識しています。僕がボールを受ける位置、ドリブルする角度によって前の選手の動きが変化するので、その変化も見逃さないようにプレーすることを意識しています」
彼の空間把握能力と変化に気づく目、正確なキックの精度の高さはプレミアWESTで実証済み。ユース年代真の日本一という看板を提げて臨んだ選手権でも、そのクオリティーは相手にとってとてつもない脅威となって発揮されている。
1回戦の福井商業(福井)戦。相手は6バックに3バックを並べるという極端すぎる守備を敷いてきた。エースストライカーのFW山下景司、183センチのMF兼松将の周りには常に2、3人の選手がおり、ペナルティーエリアには4人以上が張り付いている状態。完全なるハーフコートゲームになりながらも、ボックス内ではなかなか自由がもらえない展開となったが、嶋本は非常に冷静だった。
単純にサイドからクロスの雨を降らせるだけではなく、6バックのわずかなスペースにループパスを積極的に狙い、特にポケット(ペナルティーエリア内の左右のスペース)へ送り込むパスは徐々に相手の守備に亀裂を生み出していった。1-0で迎えた後半21分にはバックパスを受けると、一度前を向いて相手を牽制してから右足インフロントでゴール前の兼松の頭にピンポイントでロビングを入れて追加点をもたらす。同30分にも中央から力が抜けた柔らかいフォームでポケットに飛び込んだ山下へドライブ回転のかかったパスを通して3点目を生み出した。
下でダメなら上を通す。外からのクロスがダメなら、中央からペナルティーボックス内の相手が予測をしていない場所に正確に落として相手の守備を無力化にする。まさに時間と空間を制するプレーで初戦好発進の立役者となった。
■右足の正確キックでさらなる活躍狙うスナイパー
札幌大谷(北海道)との2回戦でも彼の時間と空間を巧みに操るプレーが試合を動かした。相手のキーマンであるボランチのMF笹脩大に対して、「距離を取りながら、マッチアップする笹選手をコントロールしようと思った」と、彼のプレスを巧みに回避しながら、最終ラインからのパスを引き出して、左右や裏のスペースにボールを散らして攻撃のリズムを作り出した。
0-0で迎えた後半11分。左CK(コーナーキック)を得るとキッカーとしてボールを抱えた嶋本は相手の守備陣形を見て、頭の中をフル回転させた。ゴールライン付近に密集する味方と、それに合わせてGKの前に4人、うしろに3人の選手を置き、ゾーンで守ってきた相手を見て、蹴った瞬間に前に出てニアとすらしたあとのファーサイドを埋めに来ると予測。直接狙うことを考えてボールを置く位置をいつもよりも内側にした。
「コーナーから直接狙うことは、以前から練習はしていました」と、ファーポスト目掛けて右足を思い切り振り抜いた。右足インフロントにかかったボールは、鮮やかな軌道を描いてファーにいた笹の頭上を越えてゴール右ポストの内側を叩いてゴールに突き刺さった。
「私が見ても悠大のゴール。悠真も『触っていない』と言っていました」と山城朋大監督が口にしたように一見、ファーポストでジャンプをしていたDF野口悠真のゴールのように見えたが嶋本のゴールに。紛れもなく相手の陣形を見て判断を変えて、狙いどおりの正確無比なキックをあそこに蹴り込んだことによってもたらされたゴールだった。
そして後半20分には右サイドを突破したMF舛井悠悟のニアへのグラウンダーのクロスを、スピードに乗った状態から正確に右足で捉えて文句なしのゴール。これが決勝弾となった。
「相手に応じて空く場所が変化するからこそ、そうした変化を見逃さないでプレーしています」
次なる相手は東の横綱・流通経済大柏。前線からの獰猛なまでのハイプレスと、ドリブルとパスを駆使してどこからでも攻めて来る相手に対して、彼の時間と空間を操る能力が風穴を開けることができるか。
「流れも作って、得点とアシストという結果も出す。ここにこだわって挑みたい」
言葉数は少ないが、虎視淡々と狙っているその目は鋭い。静かなるスナイパーの目は流通経済大柏の組織を射程に捉えている。(FOOTBALL ZONE編集部)
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