初出場4強の快挙…東海大相模はなぜ強い? 旋風を巻き起こすチームに集まる"Jユース級”選手
FOOTBALL ZONE / 2025年1月4日 19時30分
■初出場の東海大相模はベスト4に進出
第103回全国高校サッカー選手権大会は1月4日、UvanceとどろきスタジアムBy FUJITSUなどで準々決勝4試合が行われ、ベスト4が決まった。神奈川県勢として初優勝を目指す初出場の東海大相模が、昨夏のインターハイ王者・明秀日立(茨城)に2-1で逆転勝ちし、1月11日の準決勝(14時20分・国立競技場)で流通経大柏(千葉)と顔を合わせることになった。
3分の追加時間が終わり、タイムアップの長い笛が鳴り響いた瞬間、有馬信二監督は派手なガッツポーズをつくったあと、4人の指導陣と抱き合って喜びを爆発させた。前半34分、右コーナーキックからセンターバックの久保遼真にヘディングシュートを決められ、明秀日立に先手を取られたが、アディショナルタイムに入る直前に追い付いた。これが効いた。
ここまで無得点だったエースの沖本陸が、小林晄也の右クロスにヘッドで合わせたボールはゴールキーパーの頭上を破る同点ゴール。決戦前日、有馬監督の妻・純子さんが「沖本君(のゴール)がまだなんでしょ」とささやくと、「明日取るんじゃないかな」と返した指揮官の言葉が現実になった。
初得点の背番号10は「2、3回戦とも何もできなかったので決められて良かった。練習でもあの形をやっていたので入るかなと思ったんです」と顔をほころばせながら、静かな口調でゴールシーンを振り返った。決勝点は後半25分だ。相手のクリアを拾った沖本が強烈なシュート。高畑旺崇が足元に転がってきたボールを左足で蹴り込んだ。
東海大相模といえば野球部と柔道部が全国区の強豪だが、サッカー部の知名度ははるかに低い。4度出場したインターハイにしても、神奈川第2代表だった昨夏のベスト16が最高成績で、“選手権”とは縁遠かった。ところがこのチームは、県予選決勝トーナメント準決勝で難敵の日大藤沢をPK戦で破り、横浜創英との決勝は2-0の快勝。悲願の選手権切符を手に入れ、晴れ舞台に参陣しても3連勝して堂々の準決勝進出である。
■「うちはジュニアユースの好素材を見つけてくれる」
神奈川県勢は戦後以降の大会で桐光学園など6校が8度、準決勝以上に進んでいるが、初出場でベスト4入りしたの東海大相模が初めてだ。敵将・萬場努監督に「初出場の相手はやりにくかったか?」と尋ねてみたら、「うちにとって神奈川はどこが出てきても強い。桐光学園、日大藤沢、横浜創英、東海大相模……。だから(初出場ということは)あまり意識しなかった」と述べ、神奈川勢の水準の高さに敬慕した。
有馬監督は福岡・東海大五(現東海大福岡)の選手時代、3大会続けてレギュラーとして全国選手権を経験。日体大卒業後は母校で監督とコーチを務め、2011年から東海大相模を指揮している。今度は有馬監督に全国選手権の優勝こそまだないが、福岡からやって来て神奈川の高校サッカーをどう感じているのか聞いた。
「いい選手が大勢いることですね。マリノスやフロンターレのユースチーム(に上がれるか)のボーダーライン上にいる選手が高校チームに多く、能力はかなり高いと思う。うちは増子部長や大谷コーチが(Jリーグクラブの)ジュニアユースの好素材を見つけてくれるんです。ボールを止めて蹴るという技術がしっかりしている。その中から、個性と特長のある選手を育てていきたいと思っています」
確かに東海大相模には横浜FCや湘南ベルマーレ、東京ヴェルディや横浜F・マリノスのジュニアユース出身者が多い。神奈川はうまさ、速さ、強さといった個性豊かな人材の宝庫なのだろう。光り輝く個がベースとなって強固な組織を作り上げている。東海大相模は全国で戦えるチーム作りのお手本のようでもある。
先制点の沖本が「過去年と比較して攻守ともプレー面での強度が高く、今年のチームはそれを試合で発揮できる」と胸を張れば、決勝点を挙げた高畑は「自分たちのパスサッカーを貫けているのがここまで勝ち上がってきた要因では」と言う。
神奈川勢が決勝に駆け上がったのは第29回大会の小田原、第75回大会の桐光学園の2校しかない。神奈川の“タイガー軍団”が歴史を塗り替えられるか。(河野 正 / Tadashi Kawano)
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