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26年ぶり古巣帰還で「緊張」、J王座奪還へ「ほっとすることはない」 技術&名門クラブの伝統

FOOTBALL ZONE / 2025年1月8日 6時30分

■鹿島が鬼木新監督の下で始動

 鹿島アントラーズは1月7日、新指揮官となった鬼木達監督の下新シーズンを始動した。初日ということもあり、身体を動かすことに特化したメニューが組まれ、午前、午後の2部練習を実施。「これだけタイトルを欲しているクラブはあまりない」。鬼木監督が重要視した「意識付け」によって選手たちも刺激を受け、“常勝軍団”が新たなスタートを切る。

 昨シーズンまで8年間、指揮官として川崎を率いてきた鬼木監督。2025年、自身が選手時代プロキャリアをスタートさせた古巣へ26年ぶりに戻ってきた。「緊張もしていた」と話す鬼木監督は、この日のトレーニングで「止めて蹴る」に重点を置いたトレーニングを加えつつ、選手たちが気持ちよく汗を流せるメニューを与えていった。

 細かい戦術よりも、選手たちにまず鬼木監督が伝えたのが技術面の「意識付け」だ。パス練習1つにしても、ボールのスピードアップを何度も求めていた。鬼木監督の“色”が出た形だが、技術とともに「鹿島らしい」メンタリティーの向上も同時に必要だと指揮官は感じている。

「まず(練習を通して感じたのは)サッカーに対して非常に真面目。(ラストのミニゲームは)レクリエーションの割に結構ガチガチしていましたね(笑)。鹿島らしいというか…やはり徐々にヒートアップしていくような負けん気の強さは感じました。もしかしたら、もっとそういった部分を出していくことが必要なのかもしれない」

 鬼木監督に今日1日、選手を見て感じた内容を聞くとそう答えが返ってきた。「『身体強いな』だったり、実際に目の当たりにして『上手だな』と感じた選手もいましたし、逆に『もっとやらないとな』という選手もいました。やりがいは多いですね」。選手たちの向上心はひしひしと監督にも伝わっており、「少しずつ積み上げていければいい。そのサポートを自分たちがして行ければと思います」と自身の使命をあらためて再確認している

「まずは怪我人が出ずに終われて良かった。ここからが自分にとっての大事な時間になってくる。この仕事をしている限りほっとすることはないですね」


鬼木新監督【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

■“鹿島らしさ”と“技術”「どっちも突き詰めたい」

 鬼木監督は選手時代、鹿島でブラジルの英雄ジーコというスターの姿を含め「気持ちの部分は鹿島で一番学んだ」と語る。「トッププレーヤーの負けん気、勝負へのこだわりは目の前で感じていました。そこは一番学んだと同時に、彼らは結局上手い。しっかり技術もある。鹿島らしさとのバランスもありますが、(技術も)どっちも突き詰めたい。そうしないと、日本一にはなれない」と、国内タイトルから7年間遠ざかっている鹿島の進化へ気概も示している。

 しきりに監督が口にした「鹿島らしさ」と「技術」という言葉。「一番自分たちが求めなければいけない」と、目標に掲げたリーグ優勝。「プレッシャーというより、自分がタイトルを欲している人間。自分で取りたいという思いで来た」。古巣で成し遂げたい自身の強い思いを胸に、新天地で鬼木監督は挑戦を続ける。(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)

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