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偶然見ていた7年前「まさかあの時」 熾烈な得点王争い…先輩の雪辱に燃えるストライカー

FOOTBALL ZONE / 2025年1月12日 21時30分

■流経柏FW山野春太は今大会4ゴールを記録

 東京・国立競技場で1月11日に開催された第103回全国高校サッカー選手権大会準決勝で、3大会ぶり8度目出場の流通経大柏(千葉)が、初出場の東海大相模(神奈川)を1-0で破った。1月13日の決勝は、プレミアリーグEASTで競い合った前橋育英(群馬)との関東決戦となった。

 流通経大柏は初戦の2回戦から準々決勝までの3試合で15点を奪った。計8人がゴールを挙げた中、4ゴールのFW山野春太が目下チームをリードする得点王だ。佐賀東(佐賀)との初戦の2回戦から準々決勝まで3戦続けて先制点を奪い、上田西(長野)を8-0で粉砕した準々決勝で2点をマークする活躍ぶりである。

 先発した東海大相模戦では4試合連続先制ゴールの期待も懸かったが、残念ながらシュート1本で無得点。後半20分にピッチを後にした。榎本雅大監督は「背後への抜け出しが特長だが、今日は相手にうまく対応されたのでボールの動かし方を変えたかった。太ももの裏が張っているし、スプリント回数も多いので体がついていけない状態だった」と交代理由を説明した。

 それは本人も自覚している。体が重かったことで、準決勝までの1週間は体のメンテナンスに十分気を遣い、東海大相模戦に臨んだそうだ。しかし準決勝ともなると会場の雰囲気も一変するし、優勝もちらついてくる。今までとは少々勝手が違ったようだ。山野は「国立競技場は初めてなので硬くなり、相手の勢いにも飲まれていつものプレーができなかった。結果を出せなくてすごく悔しい」と残念がった。

 決定打は後半8分、こぼれ球から狙った強烈な一撃がバーをたたいた1本だけだった。

■7年前に知った流通経大柏の存在

 ここ1年近く、怪我に悩まされ続けた。一昨年の10月、全国高校選手権予選の準決勝を前に右太もも肉離れで3か月離脱し、復帰した矢先には右のかかとを傷めるなど、故障に苦しんできた。先発出場は昨年12月8日にあったFC東京U-18とのプレミアリーグEAST最終戦が最初だった。

 それでも今大会に向けての練習試合で得点を重ねると先発の機会を手に入れ、同時に結果も出した。小学5年生の時、第96回大会をテレビ観戦。流通経大柏と前橋育英の決勝で、そこで流通経大柏の存在を知ったという。

「どっちを応援していたというわけではないけど、体を張ってプレーする場面が印象的でした」と思い起こし、「まさかあの時、自分が流経の選手として前育と選手権の決勝を争うなんて想像できなかった」と笑った。

 ここまでの4点のうち、持ち味を存分に発揮したのが3回戦と準々決勝の1点目だ。3回戦はDFからのロングパスに抜け出して右足で仕留め、準々決勝は左から配給された絶妙なスルーパスに反応し、守備の背後を奪って逆サイドに突き刺した会心のゴールである。

 前橋育英とは昨季のプレミアリーグで1勝1敗、スコアは2試合とも2-0と0-2だ。大舞台での3度目の戦いで雌雄を決する。

「前育とは因縁を感じますね。戦い方はつなぐイメージなので、うちのハイプレスで圧倒したい。自分としては守備の裏に抜け出し、強引な突破とフィニッシュを見せたい。スピードはいつも通りに生かせると思うので、決勝でもそれを出し切って先輩たちのリベンジも果たしたいですね」

 7年前、0-1で敗れた先学の雪辱と得点王、2度目の優勝を胸に秘め、県予選の「15」からストライカーの称号である背番号9に栄達した山野が、頂点を決める最終決戦に向かう。(河野 正 / Tadashi Kawano)

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