森保J入りへ「凄く特別な思いはある」 2桁Gの逸材FWが開花した訳「大きく変わった」【インタビュー】

■湘南FW福田翔生は2年目のJ1で2桁ゴールと飛躍した

　J1湘南ベルマーレでプレーするFW福田翔生は、加入1年目の2023年はノーゴールに終わった。しかし2年目の昨季は10ゴールと2桁得点を記録し、躍動のシーズンとなった。1年目との違いや、J3との差、そして代表入りを含めて今後の目標について言及した。（取材・文＝FOOTBALL ZONE編集部・小西優介／全3回の3回目）

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　2023年シーズンは途中加入といういうこともあり先発出場は0で、リーグ戦10試合0ゴールに終わった。昨季も序盤こそはメンバー外やベンチスタートが続いたが、第6節の東京ヴェルディ戦で初スタメン。そして第8節の横浜F・マリノス戦で途中出場ながらJ1初ゴールを決めた。

「一人一人強いし組織力もあって、J1はさすがだなと。だけど、J3の選手もみんな一生懸命でそこまであまり変わりなかった。みんな人生懸けてやってるなと思いました」と、J3からいきなりJ1に挑戦した際に感じた印象を振り返った。

　その後はシーズン中盤にスタメン定着するも、再び途中出場が続いた。それでもシーズン終盤は連続してスタメンに名を連ね、37節の横浜FM戦で目標としていた10ゴールを達成。リーグ戦34試合に出場で、スタメンは半分の17試合ながら2桁ゴール4アシストと躍動のシーズンとなった。

　23年のノーゴールから昨季活躍できた理由は何だったのか。福田は「きっかけとなったのは得点ですかね」と触れつつ、「初ゴールを決めて大きく変わった」と横浜FM戦のゴールに言及。「自分が持っていたものをさらに出せるようになったというか、能力を解放できるようになった」

「試合に出続けるようになって、ゴールだけじゃなくていろんなことがレベルアップできたから大きかった、ゴールへの意識が変わったし、得点へのこだわりをより持つようになった」と、明かしている。

■一番の挫折は「やっぱり満了になったこと」

　J1の舞台で2年目のシーズンを終えた福田は、スタメンが17試合ながらも途中出場を含めて34試合と、シーズンをほぼ全部にメンバー入りしているが、「湘南に来て全てにおいて成長している」と実感している。

「プレスもそうですし、守備の強度もそうです。試合にたくさん出ることによって、1試合通していろんな部分が成長できるなと思います。今はFWをやっていますけど、たまにインサイドハーフだったりサイドをやることもあって与えられた仕事をどれだけ100％でやれるかを意識している」

　ここまでのキャリアを振り返り、一番の挫折は「やっぱり満了になったことですね」と挙げ、「だけど家族の存在が大きかった。友達もそうですし、チームメイトも、多くの人が支えてくれた。兄ちゃんは『お前は絶対大丈夫だから、絶対できるから大丈夫』と言ってくれた。それが支えになっていました」と、ガンバ大阪でプレーする実兄・湧矢とのやり取りを明かした。

　まだ23歳と若く将来の目標を聞くと、「目標はあんまり言いたくないですけど、毎試合毎試合どれだけチームのために戦うか、目の前の1試合にかける思いをどう表現するかを意識している」。

　また、U-15日本代表候補のキャンプに呼ばれて以降代表とは縁がない福田だが、「代表でプレーしたいと強く思う」と触れ、元同僚で海外移籍後に代表入りを果たしたFW大橋祐紀（ブラックバーン）の例を意識するかと問うと、「代表へは凄く特別な思いはあると思います」と言及している。

　J1で2年目ながらもすでにチームの核となりつつある福田。2025年もJ1で1シーズン通して安定した結果を残せれば代表入り、さらにその先の未来へとつながっていくはずだ。23歳アタッカーが来季どこまでいくのか、今後の活躍から目が離せない。

[プロフィール]
福田翔生（ふくだ・しょう）／2001年3月23日生まれ、福岡県出身。プロを何人も輩出している名門・東福岡高校に進学。19年に当時JFLのFC今治に加入。4年在籍し契約満了後にJ3のY.S.C.C.横浜でリーグ戦21試合11ゴールと爆発。加入半年でJ1湘南へ引き抜かれ、所属2年目の昨季はリーグ戦10ゴール4アシストを記録。（FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi）