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プロ入り逸材に衝撃「好き放題やられた」 守備でズダズダ、完敗の連続…名門校でもがいた1年

FOOTBALL ZONE / 2025年1月21日 9時30分

■前橋育英SB瀧口眞大、J内定ドリブラー・亀田歩夢封じへ磨いた守備

 1月13日に行われた流通経済大柏(千葉)との高校サッカー選手権の決勝戦で、前橋育英(群馬)の2年生右サイドバック(SB)瀧口眞大は、試合の行方を大きく左右する大役を任された。それはマッチアップするJ内定ドリブラー・亀田歩夢を封じること。決勝の相手が決まってから、彼は亀田のプレー集を動画で何度も見続けた。

「プレミアEASTの前期に1度マッチアップをしたのですが、その時に好き放題やられて0-2で負けていたので、あの時のようにはならないと意気込んで臨みました」

 初めてのマッチアップはレギュラーを掴みたて、右SBにコンバートしたての昨年5月のことだった。まだ慣れない部分があるなかで、亀田のドリブルは衝撃的だった。何もできない自分を反省し、1年かけて右SBとして成長を重ねた。

 リベンジを期した決勝では先制弾を浴びてしまったが、それ以降は気持ちを立て直し、ドリブルを仕掛ける亀田に何度も襲いかかった。

「うしろ向きの状態で僕が強く行ったら反転されるなと思ったので、寄せる距離感を大事にしました。あと、彼は内側に仕掛けるので、サイドハーフの黒沢(佑晟)選手と連動して中に仕掛けた時に奪うこと、黒沢選手に中を切らせて、僕が縦に付いていくという意識でやりました」

 試合前のイメージトレーニングが功を奏した。これ以上、亀田にやられることはなく、延長戦でもゼロに封じてPK戦でもきっちりと決めて優勝に貢献した。

「(亀田を)完璧に止められたわけではないですし、途中出場してきた安藤晃希選手に2、3回突破を許しているので、本当にまだまだな部分が多いなと痛感しました」

 試合後、優勝の喜びを口にしながらも反省の弁を述べたが、前述したとおり、彼はこの1年間、慣れない右SBというポジションで必死の努力を重ねてきた。

 瀧口が務めてきた本来のポジションはボランチ。「前橋育英といえばダブルボランチ」と言われる花形のポジションに憧れを抱いて名門の門を叩いたが、プレーすればするほど現実を突き付けられていった。

「僕は足もとの技術がそこまで長けている選手ではないことを自覚していて、そこに若干のコンプレックスというか、劣等感はありました。前橋育英のボランチは全員本当にうまくて、諦めたくはなかったのですが、周りと比べると少し厳しいかなと思っていました」

 高校2年生に上がるタイミングで山田耕介監督から、キックの精度と強度を評価されて右SBへのコンバートを勧められたことで、彼は新たなポジションにチャレンジすることを決めた。

 守備面で戸惑いを覚える日々。だが、プレミアEAST開幕からスタメンの座を掴むと、亀田にズダズダにやられるなど苦しい思いをしながらも、山田監督は瀧口を信頼して使い続けた。

「危機感と山田監督の期待に応えたい気持ちでいっぱいでした。『もう抜かれたくない』と1対1は自主トレも含めて徹底してやりましたし、クロスの精度を磨いていくことを意識してきました」

 背番号29番の新鋭SBは、選手権では3番という守備における重要な背番号を託されるようになった。

「ボランチで苦戦したけど、SBという新たな道を見つけられたのは大きかったです。だからこそ、SBとしてもっと信頼される存在になりたい。自分の得意な守備の形、間合いを作っていきたいし、フィジカル面ももっと磨いていきたい。慢心せずに僕の中でのSB像をイメージして、いちから謙虚にやりたいと思います」

 優勝したことで浮かれた気持ちは一切ない。来年は選手権王者の看板を背負って、また再びこの舞台に帰ってくるべく、前橋育英の不動の右SBは足もとを見失わずにコツコツと力を積み上げていく。(FOOTBALL ZONE編集部)

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