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森保ジャパン「過信や慢心があった」 アジア杯の忘れられない屈辱、岐路となった敗戦【独占インタビュー】

FOOTBALL ZONE / 2025年1月21日 7時50分

■森保監督が昨年のアジア杯を振り返った

 追い求めるのは世界一。日本代表を率いる森保一監督が描く日本サッカーの未来図とは――。

 2026年の北中米ワールドカップ(W杯)へ向けて2期目を戦い抜く指揮官が、新コンセプト「日本サッカーの未来を考える」を据える「FOOTBALL ZONE」の独占インタビューに応じた。昨年、森保ジャパンを語るうえで避けられないのがアジアカップ。カタール・ワールドカップ(W杯)でドイツやスペインという強豪を破り、アジア優勝は必然と言われていたなかでベスト8という結果に終わった。森保監督が今だから思うアジア杯の「敗戦」に直撃した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇   

 流した涙がまた積もった。昨年1月、2月に行われたアジアカップは無念のベスト8で終了。優勝を目指していた日本代表にとってあまりにも突然訪れた敗戦による悔しさ、喪失感、怒り……。だが、その“思い”は1人1人、そしてチームを強くした。

「アジア杯の負けは大きかったと思います。敗戦は常にやっぱり何かが足りないということを気付かせてくれる。技術的に、戦術的にということもありますけど、普段やっているステージに自信がある分、何となく『この相手には勝てるだろう』という過信や慢心がどこかにあったと思う。敗戦はそういうところを引き締めてくれる」

 アジア杯ではグループステージでイラクに1-2で敗戦、そして準々決勝でイランにも1-2で逆転負けを喫した。優勝は簡単ではなかった。でもいつまでもそう言っていていいわけではない。北中米W杯への2次予選、最終予選では無敗を貫いている。

「実際に選手が普段プレーしているステージが違うので、持っているものを個々とチームで100%発揮すれば、限りなく勝つ可能性が高いぐらいの力の差はあるのかなと思う。その100%を出すために、戦術的にも細部のことをしっかりやっていくこと、メンタル的にも緩めないという、自分たちが常に隙なく油断なく、脇が甘くならないようにということに気付かせてもらう敗戦になったのかなと思います」

 アジア杯を終えて、3月、6月の2次予選、9月、10月、11月の最終予選、チームは隙を見せずに戦い抜いた。選手たちは口々に「アジア杯の悔しさを忘れない」と1年間話し続けた。

 今の森保ジャパンは東京五輪世代が中心。2021年に五輪に臨んだ同世代の選手たちも20代中盤から後半にさしかかろうとしている。MF久保建英も今年24歳、MF堂安律やDF冨安健洋は27歳、MF三笘薫は28歳になる。カタールW杯で躍動したメンバーも経験を積んで精神的な成長を遂げている。

■20歳のころから指導した“森保チルドレン”が精神的支柱に「変わってきた」

「視野の広がりや、落ち着きが出てくる。要因は1つだけじゃないと思いますけど、かつては『何とかしなくちゃ、何とかしなくちゃ』という焦りがあったと思います。いい意味ではエネルギッシュで、ハングリー。そこからいろんな経験をしたことで、まず自分がやるべきことをしっかりやり、みんながプロセスをしっかりすることで結果がついてくるというマインドへと変わってきたのかなと思います」

 それは戦術にも生かされるところ。フォア・ザ・チームの徹底で個々のアピールに走るだけではなくて、自分の最大限のパフォーマンスを発揮したうえで勝利を求める。

「例えば(堂安)律の話で言うと、すごくいい監督に巡り合っている。フライブルクの前の監督さんにも『ワンチーム』とずっと言われていると言っていました。助け合うということだけではなくて、お互いの良さを出していくためにも、お互い協力し合うことは大切。結果を求める手段としてそれが必要なことだというのは選手も経験、年齢を重ねて、分かってくるところなのかなと思います」

 まさに指揮官が見ているのはオン・ザ・ピッチの結果だけではなく、そこまでのプロセスや周囲との関わり方も含めてオフ・ザ・ピッチも評価している。選手もそこを実感している。堂安は以前「海外だとオン・ザ・ピッチの結果だけ評価する監督はもちろんいるんですけど、森保さんは、しっかり内面や人間性を見てくれる。選手としてはやっぱり嬉しく思いますね」と話していた。

「それは(監督として)意識しているところです。ただ、本当にバランスは難しい。点を取った選手はやはり評価されますし、1対1が強いとか、個の能力を評価してあげないといけないという観点もある。メッシ、C・ロナウドみたいなものを持っていれば優先して評価してあげなければとは思います。一方で、個人の結果とチームのためにプレーするということは相反するようでそうではない。結果を出すためにお互い協力する。すごいパスがないとゴールは決められない。選手自身もそのバランスの難しさは感じていると思う」

 いまだ試行錯誤の途中。カタールW杯後に「ボールを握って勝利をつかむ」を目標に掲げてからアジア杯の敗戦、超攻撃的な3バックの挑戦など紆余曲折あった。だが、それでも森保ジャパンはブレずに前を向いている。敗戦を糧にチームごと成長を続けているのだ。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

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