ライバルが饒舌に「This is ジーニアス」 柿谷曜一朗自身が選んだ“No.1ゴール”…宇佐美も驚愕
FOOTBALL ZONE / 2025年1月24日 7時20分
■柿谷曜一朗が選んだ一番のゴールは「群馬戦で決めたヒール」
2024シーズンをもって現役を引退した元日本代表FW柿谷曜一朗が1月23日、古巣セレッソ大阪の本拠地であるヨドコウ桜スタジアムで引退会見を行った。涙あり、笑いあり、プロ19年間等身大であり続けた柿谷を象徴する空間だった。これまで数々のゴールで魅了してきた柿谷自身が一番のゴールに挙げたのが「キンチョウスタジアムで群馬戦で決めたヒール」。この衝撃弾について、かつてライバルのガンバ大阪を象徴する存在であるFW宇佐美貴史も「声出た」として「一番見てほしいところ」まで熱弁していた。
このゴールが生まれたのは今から9年前、2016年3月12日、J2リーグ第3節ザスパクサツ群馬戦(1-0)。スイスの強豪バーゼルからC大阪へ復帰したこの年、第2節水戸ホーリーホック戦(1-0)で復帰後初ゴールを挙げて迎えた一戦だった。0-0の後半14分、ブラジル人FWリカルド・サントスのヘディングでの折り返しを相手ゴール正面で受けた柿谷だったが、ゴールに背中を向けた状態。しかし、右足でトラップするやいなや左足にボールを送ると、ヒールキックで、相手GK清水慶記の虚を突いた。衝撃のヒールシュートは、ふわりとした軌道を描いてゴールネットを揺らした。
このゴールについて宇佐美は「あのシーンで一番見て欲しいのは、(相手の)センターバックとGKが、曜一朗くんが点を取ってゴールセレブレーションに向かう背中を、ずっと後ろから『えーっ』て顔で追いかけていて。相手がとりあえず脱帽していて。あの顔をさせられるゴールって普通の人じゃ取れない。想像を上回るレベルを、さらにもう1個、2個上回ってこないとあのリアクションってさせられへんと思うねんな」と、相手の状況からその衝撃度を表した。
当時、衝撃を受ける宇佐美に対して、柿谷も「右足に(ボールが)止まった瞬間に『あっ』みたいな。そこから咄嗟やと思う。相手の場所に合わせて(シュートを打ったの)やと思う」と説明。これを受けて「説明できひんゴールがいい。『天才とはなんぞや』というのには、この動画を貼り付けたらいい。This is ジーニアス」と大絶賛していた。
この日、会見で柿谷は「キンチョウスタジアムで群馬戦で決めたヒールのゴールはキンチョウで生まれたゴールの、僕というより今までサポーターの記憶に残っているゴール」として、一番に選んだ理由を明かした。ファン・サポーターにも、ライバルクラブの選手にもその芸術的なシュートは今でも脳裏に刻み込まれているはずだ。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)
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