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カップ戦制覇も「太刀打ちできない」 監督が見据える未来「世界基準でやらないと」

FOOTBALL ZONE / 2025年1月26日 10時50分

■浦和LはPK戦の末皇后杯を制した

 主力の負傷離脱や移籍の不安を抱えてスタートしたシーズン、チームにタイトルをもたらしたのが前線のコンビネーションだった。第46回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会は1月25日にエディオンピースウイング広島で決勝戦が行われ、三菱重工浦和レッズレディースが1-1の同点からPK戦までもつれ込んだ激闘を制し、アルビレックス新潟レディースを下して優勝した。

 浦和は約1年前、前回大会の準決勝でMF猶本光とFW安藤梢がともに膝の前十字靭帯を損傷する大きな負傷で離脱した。さらに長年エースとして活躍してきたFW菅澤優衣香が負傷を抱え、昨季にリーグ22試合で20得点したMF清家貴子がイングランド移籍。サイドバックや中盤で効果的なプレーをするMF水谷有希も昨年8月に前十字靭帯の損傷で長期離脱になった。WEリーグを2連覇しているチームだが、今季のスタートは不安材料が非常に多かった。

 そうした中でセンターバックでのプレーが多かったDF高橋はなを、もう1つの本職とも言えるFWに起用。そして、トップ下に昨季のリーグ最多アシストのMF塩越柚歩を固定した。なでしこジャパンへの選出も多い2人が、能力の高さを見せて浦和の攻撃を引っ張った。準決勝のINAC神戸レオネッサ戦では高橋と塩越がそれぞれ1ゴールしたが、プレーの面でも質の高さを見せていた。

 そしてこの決勝戦でも前半11分、中盤で絶妙なファーストタッチを見せて前を向いた塩越が右足アウトサイドでテクニカルなスルーパスを供給。そこに抜け出した高橋がGK平尾知佳との1対1を冷静に決めて先制した。高橋は「柚歩から絶対に来ると思った」、塩越は「イメージトレーニングもしていて、はながここに動くと思った」と話す、最高のコンビネーションになった。

 その後も高橋はロングボールの的になりフィジカルの強さを発揮し、塩越もまた背負いながらでもボールコントロールがズレない技術を見せてチームの前進を支えた。惜しくもゴールにつながらない場面もあり、同点ゴールも許して最終的にはPK戦での決着になったが、高橋は「もっともっと2人でコンビネーションを見せたい」と話し、塩越は「はなとなら何でもできると思う」とも口にした。

 アンダー世代の日本女子代表監督の経験もある浦和の楠瀬直木監督は「塩越、高橋のコンビで毎試合1点、2点と取ってくれる。3人こようが4人こようが、2人で打開できる部分を伸ばさないといけない」と、称賛しつつも要求は高い。その理由は、先を見据えているからだ。

「なでしこに選ばれる可能性も高いと思う。グループというより、あの2人でフィニッシュまで行くことを世界基準でやらないと、アジアで勝って今後に世界大会があった時に太刀打ちできない。次の女子W杯で日本は優勝を目指していると思う。疲れても(試合に)出し続けるのも、日本のトップというのを高橋や塩越には、猶本(光)はもう1つ上にいっていると思うけど、そこに追いつくには(決勝ゴールも決めて)勝負もつけないといけないと思う」

 浦和は今季から本大会が発足したAFC女子チャンピオンズリーグの準々決勝以降の戦いが控え、そして国際サッカー連盟(FIFA)は2026年2月に第1回の女子クラブ・ワールドカップ(W杯)を開催することを発表している。クラブレベルでもアジア、世界へと出ていくチャンスがあり、さらにこの日のゲームは、昨年12月になでしこジャパンの新監督に就任したニルス・ニールセン氏も視察していた。すでに両者とも五輪の舞台を経験するなど実績も十分だが、さらなる飛躍を感じさせるタイトル獲得になった。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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