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J1ストーブリーグ補強「勝ち組」厳選 東京V“飛躍”の予感、昨季低迷クラブがタレント大量獲り【コラム】

FOOTBALL ZONE / 2025年1月29日 7時50分

■“ストーブリーグ”における補強の「勝ち組」クラブを厳選

 Jリーグは2025シーズンに向けて、新体制が始動。すでに沖縄や鹿児島、宮崎などでキャンプをスタートさせているクラブもある。そんな中で選手の登録期間はまだオープンしているが、来年シーズン移行を控え、「春秋制」前では最後になる“ストーブリーグ”における補強の「勝ち組」を筆者の視点で厳選した。(文=河治良幸)

   ◇   ◇   ◇   

■東京ヴェルディ(昨季順位:6位 14勝14分10敗)

 昨シーズンは昇格組ながら6位に躍進し、さらなる飛躍を目指すなかで、期限付き移籍組の主力をどうするかが最大の焦点に。そのうち林尚輝と染野唯月が鹿島アントラーズから、山見大登がガンバ大阪から、木村勇大が京都サンガF.C.から完全移籍となり、ベースが固まった。こうした形の強化は今後、期限付き移籍の難易度を上げる側面もあるが、J1で上位に定着していく覚悟の表れとも言える。さらに平川怜(←ジュビロ磐田)や福田湧矢(←ガンバ大阪)など、新たなアクセントや推進力を与えられそうなタレントを加えており、城福浩監督の戦術的なオプションも増えそうだ。また熊取谷一星(←明治大学)や新井悠太(←東洋大学)など、大卒ルーキーの即戦力としての働きにも注目だ。

■柏レイソル(昨季順位:17位 9勝14分15敗)

 最終節に残留を確定させた昨シーズンから、抜本的な改革を果たすべく、リカルド・ロドリゲス監督を招へいすると、新指揮官の戦術にマッチしそうなタレントを大量補強した。普通、これだけ入れ替わるとチーム作りは難しくなるが、渡井理己(←徳島ヴォルティス)や小泉佳穂(←浦和レッズ)といった、過去に指導を受けた申し子的な選手が含まれており、現有メンバーにも垣田裕暉や犬飼智也の“リカルド・チルドレン”がいることを考えると、意外と早くベースが出来上がる期待もある。チームをまとめる意味では引く手数多と見られたディフェンスリーダーの古賀太陽を慰留できたこと、そして仲間隼斗(←鹿島アントラーズ)の“古巣復帰”も大きい。真の飛躍は来年と見るが、いきなり一桁順位にジャンプアップしてもおかしくない。

■鹿島アントラーズ(昨季順位:5位 18勝11分9敗)

 川崎フロンターレの黄金期を築いた鬼木達監督の1年目ということで、あまり焦らずチーム作りを見守りたい一方で、戦力的には9年ぶりのリーグ優勝にも届く陣容であることは間違いない。一番の目玉はFWレオ・セアラで、鈴木優磨とともに攻撃の中心を張るタレントが加わったことは何よりの強みとなる。さらに期限付き移籍先のFC東京で飛躍した荒木遼太郎が復帰し、2列目からの明確なアクセントも期待できる。その一方で、昨年は選手層が薄く、綱渡りだったサイドバックとセンターバックのテコ入れにも成功。左利きセンターバックのキム・テヒョン(←サガン鳥栖)と左右サイドバックをこなせる小池龍太(←横浜F・マリノス)がスタメンを狙いながら、ベンチに控えても心強い存在になりそうだ。ユースから昇格の大型FW徳田誉には良い意味で、レオ・セアラを脅かすぐらいの台頭を期待したい。


キャンプではキャスパー・ユンカーが校長ぶりを見せた【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

■長谷川政権の名古屋は守備面で地味ながらも“良い補強”に成功

■サンフレッチェ広島(昨季順位:2位 19勝11分8敗)

 最小限の主力の入れ替えで、最大限の結果を得るというのは数年来、広島の基本戦略となっている。特にスキッベ体制が4年目となり、惜しくもリーグ優勝を逃した昨シーズンからもう1つ、進化を遂げて奪還を狙うべく、昨季19得点のジャーメイン良(←ジュビロ磐田)、左アウトサイドのスペシャリストである菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)、左利きボランチの田中聡(←湘南ベルマーレ)という3枚のビッグピースを獲得し、年明けには松本泰志の浦和移籍で薄くなったボランチとシャドーのポリバレントとして、井上潮音(←横浜FC)を加えた。さらに“大卒ナンバーワンFW”と評価できる中村草太や昨年プロ契約した井上愛廉が前線の主力争いに絡んでくれば、得点力アップは間違いない。ただ、前半戦はACL(AFCチャンピオンズリーグ)2も並行して戦うこともあり、タイトル獲得にはゴンサロ・パシエンシア、ピエロス・ソティリウ、ドウグラス・ヴィエイラが揃って退団した外国人FWのところに、強力なラストピースを開幕までに加えていきたい。

■名古屋グランパス(昨季順位:11位 15勝5分18敗)

 ルヴァン杯を制したものの、リーグ戦は上位争いにすら絡めなかった昨シーズンから再飛躍がノルマに近い目標となる。長く名古屋のゴールを守ってきたGKランゲラックの移籍に伴い、カタール・ワールドカップの日本代表メンバーであるシュミット・ダニエル(←ヘント)を迎え入れられたのは大きい。守備のデュエルと攻撃サポートの両面に優れる原輝綺(←清水エスパルス)はシンプルにプラスの戦力になり得る。また昨夏の加入で左ウイングバックの主力に定着した徳元悠平の完全移籍での獲得も、ベースを整える意味で重要だった。またJリーグ全体で日本人センターバックが不足しているなか、佐藤瑶大(←浦和レッズ)と宮大樹(←アビスパ福岡)の2人を補強できたのは地味ながらも評価でき、長谷川健太監督が3バックを継続路線でベースアップさせていく生命線が、着実に太くなった。さらに、サウジアラビア1部アル・タアーウンからFWマテウス・カストロが1年半ぶりの復帰。攻撃に違いを作るラストピースの加入で、充実の戦力が揃った。(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

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