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黒田監督から「残ってほしいと」 高校時代の不思議な縁…金監督が明かす運命の出会い【インタビュー】

FOOTBALL ZONE / 2025年1月31日 6時50分

■福岡の監督に就任した金明輝氏が町田のコーチを務めた2年間を振り返った

 今シーズンからアビスパ福岡の新監督に就任した金明輝氏が、FC町田ゼルビアで黒田剛監督の右腕を務めた2年間を振り返った。育成年代で一時代を築いた指導者がタッグを組み、いきなりJ2優勝。昨季はJ1でも快進撃を巻き起こした2人の出会いは高校時代まで遡る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全2回の2回目)

   ◇   ◇   ◇

「選手としては2流どころか3流くらいだったと自分では思っています。だからトップの監督になれるとか、そんなことは一切考えたこともなかった。スクールコーチから始まって育成年代で8、9年くらい。選手と一緒に成長させてもらった。苦労ではないですがその日その日、目の前のことに一生懸命でした」

 2018年に37歳の若さでサガン鳥栖の監督に就任し、2021年には7位に導いた金明輝氏。一般的にはトップチームの監督としてのイメージが強いだろうが、ユースから優秀な若手を数多く輩出させたのがもう1つの顔だ。資金力の乏しい鳥栖がJ1でも好成績を残せていた要因の1つと言っても過言ではないだろう。

「ワールドカップに出た選手たちが今指導者になっています。そういった方が言う言葉の重みと、僕みたいに選手としては全く成功していない、実績のない人の言葉の重みは違ってくると思うんです。だけど、僕みたいにアカデミーから選手と一緒に成長してきた、そういうアプローチも大事だと思っています」

 2023年からは町田のヘッドコーチに就任。不祥事でどん底にいた金明輝氏に手を差し伸べたのが黒田監督だった。「招き入れてくれたことにまず感謝しかないです。サッカーをする場所を与えてもらいました」。そんな2人の出会いは、金明輝氏が初芝橋本高校でプレーしていた時にまで遡る。

「僕が当時行っていた高校の先生が黒田さんと大学の同級生で、遠征で行ったりもしていてそこから。僕がユース監督の時に青森山田と試合したこともありますし、そこまで深い関係ではなかったですけど連絡先は知っていました」

 町田ではJリーグ経験ゼロで監督に就任した黒田氏を支える役割。「プロの選手を指導するといううえで、高校生とは違います。でも僕は黒田さんのカラーを出したほうがいいと思ったのであまり出すぎず。監督のやりたいことを噛み砕いてトレーニングに落とし込むという作業をしていました」と舞台裏を明かした。

 戦術の多くを担っていたのではという声も出ていたが、「まあそれは巷の話で(笑)」と否定。「やはりコーチはコーチなので、僕ができることというのは、監督のやりたいことを選手たちにより良い形で伝えていくという作業でした」と黒子に徹していたという。そのなかで黒田監督から多くのことを学んだ。

「やはり勝負へのこだわり。勝者のメンタリティーというか、しっかりと試合に向けて準備すること。一切、妥協のないこと。1つ1つへのこだわり。あとはマネジメントの部分ですね。やはり1位を取るマネジメントとそれ以下を狙うマネジメントではアプローチの仕方が違う。確かにそうだなと思いました」

 福岡の監督に就任するにあたり、黒田監督からは「残ってほしいという話も当然ありました」という。それでも「最後は快く送り出してくれました」と今でも感謝が尽きない。「サッカーの中身、戦術的なことに関しても常にアップデートしてきたつもりではあります。充実した2年間でしたね」と振り返った。

 町田での2年間を経て、福岡ではどのようなサッカーを見せてくれるのだろうか。欧州サッカーを含め、日頃から多くの試合をチェックしているという金監督。「全部気になりますね。やはりトレンドはどんどん変わります。僕に求められていることは、長谷部さんとは全く違うと思っています」と力を込める。

 福岡は昨季、38失点の堅守を誇った一方、J1ワーストの31得点。「長谷部さんの功績は色褪せないと思います。守備がおろそかで上位に行っているチームはあまりないと思うので。でもバランスがいいかといえばそうではないと認識しています。攻撃にもしっかりとフォーカスしていきたい」と展望を明かした。(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)

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