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JFL→J2で13ゴール…J1初挑戦も「鹿島にビビって」 監督も苦言、苦しみ見つけた武器【コラム】

FOOTBALL ZONE / 2025年1月31日 8時20分

■J2ベストイレブンにも選出された岡山の岩渕弘人、J1初挑戦の今に迫った

 昨季にファジアーノ岡山へ加入したMF岩渕弘人は、チーム最多得点となる13ゴールを挙げて岡山がJ1初昇格を果たす原動力となった。その活躍は多くの選手たちの目にも留まり、プロサッカー選手会アワード2024で岩渕はJ2ベストイレブンにも選出された。(取材・文=寺田弘幸)

 仙台大を卒業後に当時JFLに所属していたいわきFCでキャリアを始めたアタッカーが、J2で誰もが認める活躍を見せてJ1へ初挑戦する。どんなプレーを見せるのか注目は集まるが、宮崎でキャンプを行っている岩渕はまだ心身の準備を万全に整えられないでいた。

 プレシーズンが始まってから足首を負傷した影響もあってコンディションは途上で、「去年はシャドーの左をずっとやってたんですけど、今年はずっと右をやっていて、ちょっと身体の向きとかボールの受け方とかに苦戦しています」と言う。シャドーの左はチームの大黒柱になる新加入のMF江坂任が務めているため岩渕は右へ移っているが、そのポジションへのアジャストに苦しんでいた。

 もっとも、本人は「何よりまず自信を持ってやらないといけないです」と内面に問題があったことを口にした。

「正直、(1月25日に行われた)鹿島とのトレーニングマッチはビビっているところがあった。寄せが早くて身体の強い選手がいるなかでも自信を持ってやった方がいいことは分かっていたのに、実際にピッチに立つとボールを失うのを怖がったりボールを受けるのを怖がっていた。個人的にすごいもったいない時間を過ごしてしまったけど、それじゃダメなことに気づけたんで、まず開幕までのトレーニングマッチを自信を持ってやっていきたい」

 初めて挑むJ1だからずっと漠然とした不安もあったようだが、段々と割り切って考えられるようにもなってきている。

「チームもそうだし僕も初めてのJ1なんで、失うものは本当に何もない。挑戦して、自分の力を出し切って、それでもダメならしょうがない。いまはそう思えるくらい一生懸命やりたいって思っています」

 心の準備が徐々に整ってきているから、これまで培ってきた自分の力を存分に出していくだけだ。仙台大で同期だった浦和レッズMF松尾佑介がスピードやドリブルを武器にJ1で活躍しているように、J1のアタッカーはそれぞれ武器を持っている。岩渕にも自分が秀でた武器を持っていないことを自覚し、悩んで見出してきた武器がある。

「昔から強い選手でも速い選手でもないし、特別にうまいわけでもないんで、ずっと悩んできた。自分の特長がないことは分かっていて、その中でどうやってプロでやっていくのかを大学時代にずっと考えてきた中で、チームのために走ることや守備で貢献することを絶対やらないといけないと思ってきたし、やっぱり一番は結果を出して生き残っていくしかないと思ってやってきた。それでやっと去年に自分のスタイルみたいなものが見つかった気がしているんで、もう本当にそれで挑戦していくしかないなと思っています」

 ボールを失ったらすぐ奪い返しに行くアグレッシブさ。パスコースを限定しながらプレスに走れるクレバーさ。ボールが頭上を越えてもプレスバックして守備に貢献するタフさ。そして、ゴール前に進入するタイミングの良さや勘所の鋭さ。岩渕が培ってきた力は昨季に岡山を推し進めるパワーとなり、シーズン終盤に岩渕は自信をみなぎらせて抜群の勝負強さを発揮してみせた。

 自分で腐心しながら見出だしてきたオリジナルな武器を、まずは日本最高峰の舞台で自信を持って発揮していく心身の準備を整えたいところだ。

 1月28日に熊本とのトレーニングマッチを終えた後、木山隆之監督は「キャンプに入ってまだトップコンディションになってるように見えない。もっと上げてきてほしい」と言って奮起を促している。(寺田弘幸 / Hiroyuki Terada)

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