果汁100%ジュースにリスク、米小児科学会が警告

Forbes JAPAN / 2017年5月24日 10時30分

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ジュースは何十年も前から、米国の子供たちにとっては定番の飲み物だった。だが、ここ数年は新たに「不健康な」食品・飲料の一つにも挙げられるようになり、肥満や虫歯などの一因と指摘されている。

米国小児科学会(AAP)は5月22日、フルーツジュース(果汁100%の飲料のみを指す)に関する提言を発表。乳幼児から10代の子供たちを対象とした年齢別の適切な摂取量についての見解を明らかにした。AAPに所属する医師の中には、子供にはフルーツジュースを与えるべきではないと考える人たちもいる。

テキサス大学オースティン校デル・メディカルスクールのスティーブン・エイブラムズ博士は、生後6か月までの乳児には、母乳または乳幼児用ミルク以外を与えるべきではないと述べている。生後1年までは、果汁から得られる栄養学的な利点はないという。

また、2歳を過ぎたくらいの歩き始めの時期までの子供たちには果汁を与えても構わないが、1日当たり118mlを超えない量にとどめることを勧めている。ただし、「ボトルやふた付きのカップにジュースを入れて子供に与えることは、虫歯のリスクを高めることになる」という。ジュースに含まれる糖分が長時間にわたって子供の歯に付いた状態になるからだ。

さらに、4~6歳の子供には1日当たり180ml程度、7~18歳までは同240ml程度に抑えるべきだとされている。これらの推奨量は毎日の摂取量の上限であり、1週間当たりの推奨摂取量から1日当たりの平均を割り出したものではない点に注意が必要だ。

果物にも短所はある

「フルーツジュース」に該当するのは濃縮還元を含む果汁100%の飲料だ。濃縮還元の場合は、必ずラベルにそれが記載されているはずだ。

提言の中でAAPは、「1歳以上の子供には、健康的でバランスの取れた食生活のために、濃縮還元を含めた果汁100%のジュースを勧めることができる」と述べる一方で、その他の「果汁入り飲料」は、栄養的にフルーツジュースと同等ではないことに注意が必要だと指摘している。

ただ、果汁100%のジュースでも、果物をそのまま食べることに代わるものとしては十分ではない。満腹感を得られるわけでもなく、果物よりも糖分の含有量が多い(自然に濃縮されて糖度が上がっているなどの)場合もある。タンパク質やミネラルも少量しか含まれておらず、果肉が含まれていなければ、食物繊維もゼロの場合が多い。

AAPによると、米国のジュースの消費量は、2008~13年の間に減少している。10代までの子供たちの「果物」の摂取は半分近くがジュースによるものとなっているが、ここ数年はさらにその量が減少する傾向にある。果物の一日当たりの推奨摂取量は2~2.5カップとされており、その一部に代えてジュースを飲むことには問題はないものの、理想的ではないという。

また、提言では明確な量を規定していないが、「過度の」ジュースの摂取は下痢や腸内にガスがたまること、腹部膨満と関連しているという。さらに、摂取カロリーが推奨量を超えているにもかかわらず、低栄養状態になる可能性がある。

そのほか、特にグレープフルーツジュースは薬物代謝酵素である「CYP3A4」によって代謝される免疫抑制剤の「シクロスポリン」「タクロリムス」、降圧剤の「フェロジピン」などを服用している人にとって危険なものだ。ジュースがこの酵素の活動を阻害する可能性があるためだ。また、殺菌されていないジュースには、深刻な症状を引き起こす大腸菌やサルモネラ種などの細菌が含まれている可能性がある。

ただ、提言に従い低温殺菌された推奨量の果汁100%のジュースだけを飲むように注意すれば、生後半年以降のどの年齢の子供たちも、ほぼ問題は起きないとみられている。

Forbes JAPAN

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