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連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。第81回目は「パジャマパンツ」のルーツを探ります。この連載を読んでファッション用語の背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし！
【用語解説】まずは「パジャマパンツ」を知ろう。
「パジャマパンツ」とは「パジャマ」のズボンのようにゆったりとしていて締め付けがないことから、着心地がよいパンツのことをさしていいます。ウエストにはゴムが通されていて、コットン素材のものが多い傾向です。
【歴史】「パジャマパンツ」はそもそもオリエンタルな民族衣装だった？！
そもそも「パジャマ」は、本来、寝るときだけに着用する服ではありませんでした。語源はヒンディー語・ウルドゥー語の「パージャーマー」あるいは、「パーエジャーマー」で、インド人やペルシャ人の民族服のゆったりとしたズボンのことをさしています。さらにたどっていくと、「pa＝脚」と「jama＝衣服」で「脚用の衣服」を意味するペルシャ語に辿り着くのだとか。
そんなオリエンタルなアイテムを、寝具として採用したのは、インドに駐留していたイギリス人だったという説があります。19世紀ごろのことです。最初は部屋着のズボン名として取り入れられ、それが1920年代上下セットの寝巻として「パジャマ」という名称が定着します。こういった経緯を知ると、昨今、カジュアルを構成するのに普段着として「パジャマパンツ」が履かれるようになったことも、自然な流れのように思えますね。
【雑学】映画『スパイダーマン』の「パジャマパンツ」の履きこなし方がかわいい♡
2017年公開の映画『スパイダーマン：ホームカミング』でトム・ホランド演じる、主人公ピーター・パーカーが、スパイダースーツを洗濯しようと、街のコインランドリーに出かけるシーンがあります。そこでピーターが着ているのが、ピンク色の「パジャマパンツ」。もしかすると映画内では「パジャマ」のまま出かけた体なのかもしれませんが、プリントTシャツとビーサンを合わせたコーディネートを見ると、このままFUDGE GIRLの普段着としてマネできそう。だって、「パジャマパンツ」の色はピンク！ このキュートさ、寝間着としてだけ着るのはもったいないですよね。彼をまねて、ぜひこの夏は楽ちんな「パジャマパンツ」コーデを楽しんでみてはいかが。
監修：朝日 真（あさひ しん）
文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。
illustration_Sakai Maori
edit & text_Koba.A
