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【女子旅 開運山歩き】世界遺産・熊野古道の巡礼路をトレッキング旅。2泊3日中辺路モデルコース(後編)

fudge.jp / 2024年8月2日 14時30分

【女子旅 開運山歩き】世界遺産・熊野古道の巡礼路をトレッキング旅。2泊3日中辺路モデルコース(後編)

庭付きの一軒家から、約半分の広さの42㎡の2DKへお引越し。「あえて、狭い家」でのシンプルで充実した...

大自然に抱かれた“よみがえりの聖地”・熊野を旅する三日間。半日かけて熊野古道を歩いた初日から、素晴らしい景観の数々に圧倒され続けましたが、熊野三山を巡る旅はまだはじまったばかり。日々の中で知らず知らずに溜めてしまっているであろう罪や穢れ、さまざまなよくないものを祓い清めていただく、そんなありがたい気持ちで歩みを進めます。2日目は、熊野三山のひとつ「熊野速玉大社」からスタート。

 

<< 女子旅 和歌山県の前編(1日目)から読む!

 

【2日目】
①ホテル「Villa KUMANO」

●バス「熊野本宮大社前」発→「速玉大社前」着

②熊野速玉大社

③神倉神社

●電車「新宮駅」発→「紀伊勝浦駅」着

 

熊野川を舟で下って『熊野速玉大社』へ参詣する手も

この日はあいにくの雨で叶わずでしたが、晴れた日には「熊野川舟下り」がとっても気持ちいいのだそう。熊野川は神が往来する場所と考えられ、古くは熊野詣での際に熊野川を舟で渡るルートが一般的だったようです。

【熊野川舟下り川舟センター】
add:和歌山県新宮市熊野川町田長54-8
open:9:00〜17:00
https://kawabune.info

 

日本初の夫婦神が主祭神の『熊野速玉大社』。境内にはナギの大樹も

「熊野本宮大社」とは打って変わって、街の中心地に位置する「熊野速玉大社」は、観光客だけでなく地元の人からも親しまれている風情が漂います。日本で初めての夫婦となった熊野速玉大神(=イザナギノミコト)と熊野結(夫須美)大神(=イザナミノミコト)が祀られていることから、縁結びや夫婦円満などのご利益があるのだとか。

そして、こちらにも八咫烏の御守りが。あの“なでしこジャパン”もW杯前に必勝祈願に訪れたとされ、勝負運をもたらすパワースポットとしても知られています。

参道には樹齢1000年を超える日本最大級のナギの木が御神木として祀られていますが、あの平清盛の嫡男、平重盛が戦に勝利した感謝の意を込めて手植えしたものだという逸話が残っています。それもあって、必勝・勝負運を求める人が多く訪れるのだと納得。

また、ナギの葉が横には裂けても縦には簡単に破れないことから、縁結びや家内安全の象徴と考えられるとともに、昔の人は魔除けとして携帯していたともされる万能ぶり。ぜひその偉大な佇まいを間近に感じて欲しい。

【熊野速玉大社】
add:和歌山県新宮市熊野川町田長54-8
tel:0735-22-2533
open:9:00〜17:00
https://kawabune.info

 

熊野権現が一番最初に降臨した場所、『神倉神社』

熊野では古くから巨大な木、岩、川、滝に神が宿ると考えられ、自然崇拝という信仰のあり方が根付いています。「熊野速玉大社」の摂社として鎮座する「神倉神社」には、“ゴトビキ岩”という巨岩の御神体が祀られ、参拝するためには538段もの急勾配な石段を上がり切らなければなりません。
なお、熊野三山に祀られている熊野権現が最初に降臨したと伝わるのが、この“ゴトビキ岩”。すべてはここからはじまったと言っても過言ではない、まさに聖地なのです。

社殿からは新宮の市街地から海までが一望でき、これまた絶景。
毎年2月6日には、五穀豊穣や家内安全を願って“上がり子”と呼ばれる男性たちが燃え盛るたいまつを手に538段の石段を一気に駆け下りる神事“御燈祭り”が行われるのだそうです。「こんなに急な階段を走るなんて…」と驚愕しつつ、熊野の旅は頑丈な足腰と万全な足元(歩きやすく滑りにくい履き物)が必須と深く感じ入りました。

【神倉神社】
add:和歌山県新宮市神倉1-13-8
tel:0735-22-2533(熊野速玉大社)
無休

 

【3日目】
●バス「紀伊勝浦駅」発→「大門坂」着

①大門坂

②熊野那智大社

③那智山青岸渡寺

④飛瀧神社・那智の滝

●バス「那智滝前」発→「紀伊勝浦駅」着

⑤JR紀勢本線 特急南紀号「紀伊勝浦駅」発→「名古屋駅」のりかえ→JR東海道新幹線「名古屋駅」→「東京駅」着

 

明日に備えて紀伊勝浦駅付近で一泊。運が良ければマグロの朝市が見られるかも

3日目の朝、ホテルから駅へ向かう道すがら、思いがけず朝市に遭遇! 水揚げされたばかりの丸々としてツヤツヤに輝くマグロの大群…魚好きには垂涎ものの光景です。すぐ近くの勝浦漁港では自然保護と乱獲防止に配慮した延縄(はえなわ)漁法を採用し、生マグロの水揚げ量日本一を誇るので、新鮮な生マグロが手頃に堪能できるのも旅の魅力のひとつ。

【勝浦漁港にぎわい市場】
add:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地7-12
tel:0735-29-3500
open:8:00~16:00 ※飲食ブースのラストオーダーは15:30 火休
https://nigiwaiichiba.com

 

 

『大門坂』は1000年前の面影を受け継ぐ美しい参道

熊野三山の最終地点「熊野那智大社」へは、大門坂を進んで行きます。その入り口で私たちを出迎えてくれるのが、道の左右にそびえる“夫婦杉”。推定樹齢800年以上、高さ55mで幹周り8.5m、枝梁(えだはり)は13mというなかなかお目にかかることのできないレベルの巨木です。
見上げると、どっしり構えたベテラン夫婦が熊野詣でに向かう旅人を鼓舞してくれているよう。両掌で木肌に触れて英気をいただき、いざ出発。

雨上がりということもあり、うっすらと霧がかった道が実に幻想的。ここでは平安衣装を着て散策する体験ツアーもあり、話題の大河ドラマ『光る君へ』の世界へトリップすることができるのです。今回は先を急ぐためにやむなく断念となりましたが、再訪の際にはマストでプランに組み込む所存です。

【大門坂茶屋】
add:和歌山県那智勝浦町那智山392-4
tel:0735-55-0244
open:9:00〜16:00
無休
https://www.instagram.com/daimonzaka_chaya/

 

どんな願いも受け入れてくれる懐の深い『熊野那智大社』

大門坂から30分ちょっと、約1km歩くと「熊野那智大社」に到着。“那智の滝”を神と崇める自然信仰を起源として、滝本に祀られていた神々を317年(仁徳天皇5年)に山の中腹に社殿を設けたのがはじまりとされています。古くは、熊野夫須美大神の御神徳により人のご縁やさまざまな願いを結ぶ“結宮(むすびのみや)”と称されたのだそう。
鮮やかな朱塗りの拝殿を前に、参拝に一層力がこもります。

熊野古道が世界遺産登録20周年を迎えたのを記念して、熊野三山ではこのときにしか手に入らない特別な御朱印帳や御朱印が並びます。かれこれ15年近く御朱印集めに勤しんでいる私は、いただかないわけにはいきません。
特に、通常版も含めどれも渾身のデザインが目を奪う御朱印帳。どこでどんなものをいただくか、事前に下調べしておくと悩まずに済みそうです。

境内には樹齢約850年の「那智の大楠」と呼ばれる御神木も。こちらも平重盛が参詣の際に手植えしたと言われています。幹の部分に自然にできた空洞があり、護摩木を携えて中を通り抜けると願い事が叶うとされる「胎内くぐり」が体験できます。

【熊野那智大社】

add:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山1
tel:0735-55-0321
open:8:00〜16:00
https://kumanonachitaisha.or.jp

 

とっても貴重な神仏習合を『那智山青岸渡寺』で体感

続いて、「熊野那智大社」に隣接する「那智山青岸渡寺」へ。“神社のすぐとなりにお寺が?” この地は、神道と仏教を調和的に融合・一体化させた“神仏習合”という信仰の様式が残る大変珍しい場所で、熊野三山と合わせて御朱印もいただけます。 ※寺社によっては、神社と寺院の御朱印が混ざってしまうのをよしとしない考え方もあると聞きます。

仁徳天皇の時代(313〜399年)にインドから渡来した裸形上人(らぎょうしょうにん)が那智の滝で八寸(約24cm)の観音菩薩を感得(感じ悟ること)し建てた草庵にはじまり、その後、天正18年(1590年)に豊臣秀吉が再建した本堂が現代に受け継がれ、重要文化財にも指定されています。
ふわりと漂うお線香の懐かしい香りに、ここまでの疲れもリセットされるよう。

【那智山青岸渡寺】
add:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8
tel:0735-55-0001
open:7:00〜16:30

 

 

1300年も人々を祓い癒やし続けてきた『那智の滝』で浄めのひとときを

いよいよクライマックスとなる那智の滝。御神体の滝の麓へは「飛瀧(ひろう)神社」の鳥居をくぐって行きます。はじめて目にするクリーム色の鳥居は神聖なオーラを放ち、気分が高揚して無意識のうちに早歩きに。

御神体にたどり着くと、想像していた以上のスケールに一瞬言葉を失います。落差133m、滝壺の水深10mという日本一の大滝で約1300年も前から滝行が行われていたのだと考えると、この地に漂う厳かで霊験あらたかな空気も説得力を増してきます。
サーッという水しぶきの音が、邪念や負の心を洗い流してくれるかのようで、時間が許すならば気の済むまでその場で瞑想し続けたいと思うほどでした。

今回の締めくくりとなる御朱印は「飛瀧神社」でいただきました。一文字一文字、静かに丹精込めて筆を進められる様子を眼前にできるのは、なんとも贅沢な時間です。

【飛瀧神社】
add:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山
tel:0735-55-0321(熊野那智大社)
open:8:00〜16:00
※お滝拝所舞台参入料 大人¥300

 

帰りの電車で 和歌山名物『もちもちマグロ』で乾杯!

予定していたスポットをすべて巡り終え、紀伊勝浦駅から特急列車に乗り込みます。先にお伝えしたように、生マグロ日本一の勝浦。生マグロとはすなわち一度も冷凍させていない状態のため、本来のもっちりとした食感と濃い旨みが味わえるのが特徴ですが、「直売所で買った活きのいい生マグロで一杯やるのが最高!」との地元の方からの教えに従い、この通り。たった1,000円程度(おにぎりとハイボール代は含みません)でスペシャルな晩酌が楽しめます。

【木下水産 生マグロセルフ直売所】
add:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山
tel:0735-55-0321(熊野那智大社)
opne:9:00〜15:30 ※売切れ次第終了

https://kinoshita-tuna.co.jp/

3日間、広大な大自然の中、とにかくよく歩き、よく汗をかきました。
歴史を紡ぎ動かしてきた天皇や武将たちが、ときに救いを求め、ときに願掛けのために訪れ、魂の浄化やよみがえりを繰り返してきた熊野の地。その途方もなく長い年月に比べれば、この20年はまだスタート地点と言えるかもしれません。ですが、メモリアルなこの年に出かけてみることできっと、特別なものとの出会いや新しい発見が得られることでしょう。

(余談ですが、ちょっとしたサッカーフリークである私は恥ずかしながら、こんなにも八咫烏と縁の深い場所であることをはじめて知ったのでした)

 

 

【infomation】

世界遺産登録20周年を記念して、今年は各地で特別なイベントが開催されている。詳しくは「聖地リゾート! 和歌山」キャンペーン特設ページをチェックして! 普段非公開の貴重な文化財や秘仏の特別公開、夜は幻想的なライトアップやプロジェクションマッピングも。積み重ねられた歴史と神秘的な光の演出に魅せられるはず。

 

問い合わせ先:

世界遺産 熊野・熊野古道
https://www.wakayama-kanko.or.jp/features/world-heritage-kumano/

 

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