おうちでの時間を浪費ではなく、こよなく豊かな気持ちにさせてくれる「本を読む」こと。 ならばそのための居場所を、家のあちこちにつくってみる。チャーミングな道具や小物、その場所で読みたいおすすめの本とあわせて、知的好奇心とときめきを。
Place: Living
Livingという言葉の、本来の意味は生きること。だからこそ、部屋がなくたって、どこにでも好きなところに作ればいい。そんな発想から試みたのは、コンパクトでポータブルな「本のあるリビング」。サッと手に取れたり、かんたんに持ち運びができたり。そう、大切なのは本が身近にあって、気軽に読めるシチュエーション。面白い物語に出会い、世界にこよなく没入する。 SNSやyoutubeでは決して得られないカタルシスを、人生に取り戻そう。
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イギリスのデザイナーによるバケツのハンドル、イスの座面、モップの柄を合体させた3本脚スツール。 スツール¥36,300/Carl Clerkin(トリコ)、パーツトレイ¥4,510/WURTH、バケツL ¥4,620/ Rubbermaid(ともにピー・エフ・エス パーツセンター)、ラバーグローブ¥880/LABOUR AND WAIT(レイバー・アンド・ウエイト・トウキョウ)
︎Recommend Book
映画の脚本に行き詰まった著者が試みたのは、「売ります」広告を出す人々を訪ね、話を聞いてみること。 市井の人たちのものにまつわる逸話が、あたかもオムニバス映画を見ているようで、思いがけず胸をつく。『あなたを選んでくれるもの』ミランダ ジュライ(新潮社)
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スウェーデンのシェルフブランド〈ストリング〉のテーブルは高さ調節可。サイドテーブル¥34,760/string(リビング・モティーフ)、テーブルに置いたミニテーブルランプ※レッド ¥68,200/Bilia(MoMAデザインストア)、ユーズドのアームシェルチェア※パープル¥69,300/Herman Mille(r ディアンド デパートメント トウキョウ)
︎Recommend Book
ローマ、ヘルシンキなど旅をテーマにした、全6編からなる短篇集。知らない街を歩く時の寄る辺ない心地、現地の人と触れ合う時の泣きたくなるような安心感、 大切な人との向き合い方。何より旅がしたい!と切実に思える。『ミトンとふびん』吉本ばなな(新潮社)
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桐の調湿性と防虫性を生かしたハウスブックエンド。ブックエンド※3set ¥7,920/増田桐箱店(MoMAデザインストア)
︎Recommend Book
軽井沢の山荘を舞台に描かれる、国立現代図書館のコンペに挑戦する建築家たちの物語。建築と小説、両方の美しさや醍醐味がひしと感じられる、静かで端正な読み心地。ソファにからだを預け、ゆった りと。『火山のふもとで』松家仁之(新潮社)
onKuL vol.17(2022年10月売号)「本好きのための、本のある居場所づくり」より。
photograph : Kengo Shimizu
styling : Mariko Nakazato
edit : Mitsuharu Yamamura[BOOKLUCK]
re-edit:onKuL