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【温泉にいこうよ。】メイクアップ・アーティストyUKIさん“九州温泉はしご旅”。星野リゾートの温泉旅館 界 由布院&界 別府[前編]

fudge.jp / 2024年12月3日 16時30分

【温泉にいこうよ。】メイクアップ・アーティストyUKIさん“九州温泉はしご旅”。星野リゾートの温泉旅館 界 由布院&界 別府[前編]

蒸気で包み込むだけで、食材の持つ旨味や栄養をそのまま引き出してくれる「せいろ」。和の伝統を感じさせる...

メイクアップアーティスト・yUKIさんの旅模様を綴る連載企画「温泉にいこうよ。」。ふたり、ときどきひとりで日本各地に点在する温泉へ。その土地でしか体験できない“あたらしい”を見つけに。

棚田暦が宿る原風景に憩う旅

由布岳の麓に広がる閑な田園風景に幽玄の時が流れる大分県由布院。大分という名は“大いなる田”が語源と云われ、田んぼや稲作に縁の深いエリア。日本の原風景として知られる棚田が幾重にも連なる山間に佇む「界 由布院」が今回の旅の目的地。至福の湯浴みと棚田暦を映し瑞々しく彩られたランドスケープを眺めながら、心も身体も芯から潤したい。

[旅する人]

yUKIさん|メイクアップ・アーティスト&ビューティーイノベーター

1990年渡仏、CHRISTIAN CHAUVEAUを卒業しディプロム取得。1998年帰国。ファッション誌やショー、広告で活動、女優・モデルからの指名でメイク担当することも。2009年には独自のメイクブラシブランド「yUKI MAKEUP」を立上げ、2019年「yUKI TAKESHIMA」としてリニューアル。その人本来の美しさを引き出すクリエイションに定評がある。Instagram: @yukimake

 

【DAY1】太古の暮らしや伝統工芸に触れるひととき

15:00 自然のリズムに身を委ねる旅のはじまり

JR由布院駅より車に揺られること約10分。その美しく荘厳な姿から「豊後富士」と呼ばれ、親しまれている由布岳の麓に佇む「界 由布院」へ到着。眼に映るのは森の中に調和するエントランス。軒先の高さを抑えた切妻屋根の軒下に連なる丸竹の外壁が印象的な空間と澄んだ空気が豊かなひとときへと導いてくれる。

日本一の真竹の産地としても知られる大分県。竹の植栽がフォーカルポイントとなったフロントロビー脇の坪庭が旅人をお出迎え。

田園風景の四季が広がる“上質な農家風の奥座敷”をコンセプトに、隈 研吾氏が手掛けた建築やインテリアに触れられるのもこの滞在の醍醐味。農家の玄関「たたき」をイメージしたフロントロビーの床は砂利や土、石灰などをミックスした素材で仕上げられ、フロントカウンターは土間に続く農家の台所「かまど」を模したフォルム。到着早々、温もりと風格に満ちた空間にすっかり心を解きほぐされたyUKIさん。

砂漆喰の壁の陰影を美しく照らし出す竹細工のペンダントライトも隈氏によるオリジナルのデザイン。館内に散りばめられた地域の伝統工芸が風情を添えている。

ドッグランを備えた離れの客室では、気兼ねなく愛犬と一緒の滞在が楽しめる。フロントのリードフックも心やさしいおもてなしのひとつ。

15:15 葉擦れの音に癒される、離れの客室へ

なだらかな傾斜地のくぬぎ林に佇む「蛍かごの間(くぬぎ離れ)」が、今回yUKIさんが滞在する客室。一歩室内へ入ると大きなピクチャーウィンドウから差し込む木漏れ日と清らかな眺めが広がる。「風に揺れる梢や鳥や虫の鳴き声を身近に感じられることが何よりもの贅沢です。竹細工をはじめ、天然の素材をアレンジしたインテリアも素敵。お部屋の中で過ごす時間も自然のやさしい香りに包まれます」

丸竹のヘッドボードがあしらわれた寝室。星野リゾート×日本ベッドが“心地よい和”にこだわり開発したマットレス「ふわくもスリープ」とともに極上の眠りをもたらしてくれる。

独立した湯小屋も「くぬぎ離れ」の最大の魅力。杉で造られた小屋の木の温もりに癒されながら、由布院のやさしい温泉に静かに浸るひとときを。湯浴みはもちろん、離れの空間としてものんびり寛げるように置かれたラタン編みのデッキチェアも嬉しい。

(左上)螺旋状のフォルムが美しい「蛍かご」の照明は、麦わらなどのかごで蛍を鑑賞する風習に因んで「七島藺工房 ななつむぎ」の工芸作家、岩切千佳氏が手掛けたもの。「七島藺」は大分県の国東半島で栽培されている希少な素材。由布院の澄んだ水辺に生息する蛍のような淡い光が旅の時間をやさしく照らしてくれる。(右上)国東七島藺は三角形の茎と丈夫さが特徴。畳を裸足で歩くとその肌心地の良さが伝わってくる。(左下)アメニティーを包む風呂敷は自然の息吹きが感じられる若竹色。(左下)湯浴みの後はバスローブに着替えて、森の静けさに耳を澄ましたい。

16:30 棚田や空の広がりを眺めながら、ひと休み

「トラベルライブラリー」は、竹のフローリングが心地よい「板間」の空間。本棚には旅の楽しみや学びを深めてくれる温泉に関する書籍も充実。窓の外に広がる風景との一体感を感じながら、リラックしたひとときを。

にぎやかな別府温泉の奥座敷とも云われる由布院。「棚田テラス」は農家の住まいの一番奥に位置する屋外の「座敷」をイメージした館内でも特別な場所。「棚田を一望できるテラスに腰掛けて、連なる畝の表情を眺めていたら瞑想したくなりました」とyUKIさん。心の声に耳を傾けながら、ゆったりと過ごす大切な時間。

郷愁を誘う日本の原風景と謳われる棚田は、移りゆく季節の息吹きを映す自然のパレット。そこには古から刻まれてきた美しい自然のリズムが満ちている。

17:00 「わら綯(な)い体験」でお守りづくり

由布院の農閑期に行われる手仕事「わら綯い」を体験。藁をより合わせてつくる縄は、手を合わせて行うことから“祈りのかたち”を表すのだそう。手先が器用な藁の香りに癒され、笑みがこぼれるyUKIさん。

想いを込めた縄に水引の飾りをつけて素敵なお守りが完成。

ご当地楽「わら綯い体験」
◾期間:通年
◾時間:9:00/9:30/10:00/16:00/16:30/17:00(定員:各回8名、対象:10歳以上)
◾申込み:トラベルライブラリーに集合。定員に達した場合参加できない場合もあり。

18:00 由布院温泉の歴史、入浴法を学ぶ「温泉いろは」

温泉の湯守りでもあるスタッフが、由布院温泉の歴史や泉質、1泊2日で温泉の効果を高める「うるはし現代湯治」について指南してくれるプログラム。由布院温泉は肌を調える成分として化粧品成分にも用いられるメタケイ酸を豊富に含む、やわらかな泉質。低刺激のため、敏感肌や乾燥肌の方も安心して入浴が楽しめる。源泉温度が90℃と高いのも特徴で血行促進、冷え性や筋肉痛の緩和、疲労回復など、さまざまな健康効果から心身を癒してくれる。

「温泉いろは」の参加者へ無料で配布している「お湯印帳」に押していただいた由布岳と棚田がデザインされたスタンプ。旅の記録を書き込める手帳で、全国23箇所にある「界」の温泉宿を巡る楽しみのひとつ。

18:30 開放的な湯浴みが愉しめる大浴場へ

四季折々の雄大な由布岳を眺めながら入浴を満喫できる大浴場。内風呂にはさっぱりとした湯を堪能できる源泉かけ流しの「あつ湯」、ゆっくりと浸かり、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」の2つの浴槽で湯浴みを愉しみたい。浴室は窓越しに望む山々の稜線を引き立てる落ち着いた色調で、天井は黒い木目調のパネル、臼杵大仏などからインスピレーションを得た小石で仕上げた壁と床など、ディテールからも大分の文化を感じることができる。

由布岳とともに棚田を模した植栽や高木など、美しいインスタレーションのような眺めが広がる露天風呂。寝湯もあるので、季節の風を感じながら開放的な湯浴みを叶えてくれる。

隈氏のこだわりが伝わる脱衣所の設え。大分の伝統工芸、コロンとした竹籠が並ぶ様子が愛らしい。

温泉に浸った後は、湯上がり処でしっかり水分補給を。ご当地ドリンクの「かぼす蜜」とペパーミントをブレンドした「はだか麦茶」は、火照った身体に沁み渡るすっきりとした味わい。水分とともにビタミンやミネラルも補給してくれる。

19:00 刻一刻と表情を変える夕景を眺めに

何度でも足を運びたい「棚田テラス」。水が張られ、水鏡となった棚田が映し出す夕暮れ時の情景は、生命力に満ちた日中とは違った自然の神秘を宿す静寂な美しさ。「刻々と変わる空の色を眺めていると、時間が経つのを忘れて、大自然の中に溶け込んでいくような心地良い感覚に包まれます。四季折々の棚田の景色を眺めてみたくなりました」

19:30 野山の恵みに彩られた季節の会席料理

夕食はプライベートなひとときが保てる半個室の食事処でいただく特別会席。「宝楽盛り」のお造りでは、新鮮な旬の幸を堪能。先付けの「猪と椎茸の最中パテ」、大分名産「かぼす」の風味豊かなドレッシングを添えたクレソンサラダ、「姫島ひじき」の土鍋ごはんなど、由布院ならではの食文化を大分特産の竹や伝統工芸、小鹿田焼など意匠を凝らした器でいただける。

山間に佇む由布院は野山の恵みであるジビエも豊富なお土地柄。メインの台の物は、滋味深いスッポン出汁に猪肉、鹿肉、穴熊肉、牛肉の4種をくぐらせていただく「山のももんじ鍋」。“ももんじ”とは“百獣”の意味で、個性的なそれぞれの肉に合わせた4種のタレで愉しめる鍋料理。ジビエの中でもめずらしい穴熊肉は、独特の甘みを感じさせる脂身が特徴。

21:00 月の光を浴びながら、心身を浄化

一日目の夜は美しい満月。お気に入りの場所「棚田テラス」で、のんびりと今回の旅を振り返るyUKIさん。「遮るもののない開放感あふれるテラスから、夕方のマジックアワーと満月も眺めることができました。明日も楽しみです」

【DAY2】自然の息吹きをチャージして心身を調える

06:00 朝日を浴びた棚田を愛でにお庭を散策

(左)時間の移ろいを映し出す棚田の朝の風景。朝霧がかかったやさしい色合い。「山の澄んだ空気に英気も養われます」(右上)野山の花として万葉集にも詠まれるサラサウツギ。棚田の周りにはさまざまな植物、鷺や蛙などの野生の生きものもたちも生息。(左下)棚田側からは由布院の自然と調和するように設計されたフロント棟を眺めることができる。

7:00 快適な目覚めを誘う「棚田体操」

爽やかな風と自然の音を感じながら、ゆっくり身体を目覚めさせる「棚田体操」。標高538メートルに山間に佇む「界 由布院」から、由布院の街並みを一望できる「朝霧テラス」にて毎朝開催。

8:00 健やかな朝を迎える野菜たっぷりの献立

“まごわやさしい”にちなんで滋養たっぷりの食材を取り入れた「ご当地朝食」。焼野菜をメインに郷土料理の「だんご汁」、自家製の豆腐とヨーグルトなど身体の中からしっかり栄養をチャージして、ヘルシーな一日を過ごしたい。

七輪の上で豚の角煮と旬の野菜をお好みの加減で焼いていただく「炭火焼き」。

09:30 客室の露天風呂で温泉を満喫

朝から気兼ねなく湯浴みを愉しめるのも最大の魅力。自律神経不安定症、不眠症、鬱状態などの予防効果があると云われ、肌にもやさしい由布院のお湯は刺激も少なく、上がる時の洗い流しは不要。「信楽焼の浴槽も滑らかな肌心地で、温泉は心と身体を癒す最適な方法だと改めて実感しました」

11:00 素敵な旅の想い出にお土産をチョイス

館内のショップには職人や作家の技が息づく竹細工をはじめ、旅先だからこそ手に取りたい伝統工芸品やお菓子が並ぶ。「界 由布院」でしか出会いない、こだわりのセレクトが嬉しい。

12:00 由布岳に見守られながらチェックアウト

チェックアウトの最終時間は12時。由布院での滞在を満喫し、心と身体に活力を養ったyUKIさん。足取りも軽やかに九州の温泉はしご旅2日目の目的地「界 別府」へ。

TIPS FOR TRAVEL|旅服コーディネート&メイク事情

旅もおしゃれも大好きなyUKIさん。1日目の旅スタイルとメイクのこだわり、愛用のトラベルアイテムをご紹介。

[DAY1]

✔︎旅服コーディネート

「大自然に馴染むナチュラルな着こなしです。パリの蚤の市で買ったボタニカル柄のチュニックとベルボトムのデニムを合わせた70年代風のエッセンスで旅のリラックスムードを楽しみます」

・トップス/ヴィンテージ
・デニム/AG Jeans
・サンダル/ウーフォス
※すべて本人私物。現在販売を終了している商品もあります。

✔︎旅メイク

「服のトーンと合わせてメイクも70年代風のテイストで仕上げました。ツヤ肌をベースに、ブラックマスカラでさり気なく主張した目元、口元にはダスティカラーのピンクのリップを差してビターな甘さを漂わせたメイクです」

・アイブロウ/ジルスチュアート ムースブロウマスカラ 16
・マスカラ/アネリアナチュラル トリートメント マスカラ[ブラック]
・リップ/ボビィ・ブラウン プリティ パワフル ポット ルージュ L11 ペールピンク
・ベース/BISOU エンハンシングスティックN[クリスタル]
※現在販売を終了している商品もあります。

✔︎旅の必需品

「温泉旅に欠かせないのは、1本で何役もなしてくれるケアアイテムたち。お気に入りのお塩は入浴後に不足しがちなミネラル補給にはもちろん、殺菌、浄化効果もあるので、口に含んでうがいをする時にも便利。フェイスもボディもしっかり保湿してくれるローション、日焼け止め&虫除け効果のあるスプレーは自然由来100%で子どもから大人まで安心して使えます」

(左から)
・AMATERACE/神寶塩
・CERAPLE/グラウンディング オイルローション
・MAMABABY/UV&アウトドアスプレー SPF20 PA ++
※すべて本人私物。現在販売を終了している商品もあります。

今回のお宿は…「界 由布院」

“棚田暦で憩う宿”をテーマに“由布院の原風景と称される棚田や由布岳を望み、寛ぎの滞在を過ごすことができる温泉宿。隈 研吾氏による建築・デザインで、敷地内は棚田を囲むようにパブリック棟、浴室棟、客室棟が配置され、雄大な自然に抱かれながら“上質な農家の奥座敷”の情緒が感じられる。

住所:大分県由布市湯布院町川上398番
電話:050-3134-8092(界予約センター)
アクセス:【電車】JR由布院駅より車で約10分(JR由布院駅から送迎あり)【車】大分自動車道 湯布院ICより約15分【飛行機】大分空港からレンタカー・タクシーで約60分
料金:1泊38,000円〜(2名1室利用時1名あたり、サービス料込、税込、夕朝食つき)
URL:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiyufuin/

 

photograph:Makoto Shamura
design:Atsushi Aihara
text:Ayako Watanabe
edit:kiitos.

 

 

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