ONKULの隠れた連載企画『トラムのある街』。今回は日本を飛び出して、バルト海に面した自然豊かな国『 Latvija(ラトビア)』のリーガ周辺をご紹介。以前 、姉妹雑誌FUDGEのコラムでも掲載した内容をさらに加筆してお届けします。ハニカム笑顔があふれる神秘的な国、ラトビア。
ラトビアの建築、美しい街並み、伝統文化
参照元:自然と歴史に彩られた国、ラトビア・リーガ探訪【トラムのある街】
人口60万人を超えるラトビアの首都リーガ。コンパクトな街なので、歩いて回っても新しい発見があって楽しめる。けれどせっかくならばトロリーバスに乗って、「バルト海の真珠」と讃えられ中世の雰囲気を色濃く残した旧市街を車窓から眺めるのもいい。キオスク、バス停に併設の自販機でエータローンス(電子乗車券)を買うのがお得。
キリスト教や他の宗教が浸透した今でも、人々の暮らしに根付く“ラトビア神道 ”。古くから自然を崇拝してきた名残で夏至祭や冬至祭など伝統的な行事が行われる。ラトビア人にとって“木”は大切なもの。女の子が生まれたら冬菩提樹を植え、男の子が生まれたら柏を植えるといわれ、リーガ市内の公園でも北欧原産の冬菩提樹はよく見かけた。
リーガ市内に800軒程あり、“世界のアール・ヌーヴォーの首都”と呼ばれるリーガ。特に密集しているユーゲントシュティール建築群はユネスコの世界文化遺産にも指定されている。20世紀初頭に建てられた建物の壁面のいたるところに女性像、神話の登場人物、植物文様などのレリーフが使われる。現在も高級住宅として健在。
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ラトビアを知りたいならまずは市場へ
参照元:リーガ郊外の歴史あるマナーハウスと市場で触れるラトビアの文化【トラムのある街】
現地の買い物客でごったがえす市場を歩いてみるだけでも、ワクワクする。ラトビア・リーガを代表する2つの市場もまさにそんな場所。ヨーロッパ最大の市場『リーガ中央市場 』と1898年にオープンしたこの地域最古の『アーゲンスカルンス市場 』。日々のお買い物と言えば、市場に行く習慣が残るラトビアの人々のまさに台所。食料自給率の高いラトビア。国中の様々な地域から野菜や肉・魚、チーズなどの加工品、またカゴなどの生活用品などが集まる。
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人々の心に根付く“ラトビア神道”、幸せをもたらす“プズリ”
参照元:幸せを祈るプズリと伝承の技。ラトビア神道と無形文化遺産を巡る【トラムのある街】
ラトビアでは“ラトビア神道”という自然崇拝に基づいた独自の信仰がある。2001年に創建された女神マーラを祀るスヴェーテ(= 聖なる)神社は、神話にある神様の住まいを象った円すい型の社殿。神社の参集殿では、祈りのオーナメント“Puzuri(プズリ)”を作るワークショップも開催される。ラトビアの各家庭になくてはならない“プズリ”は邪気を閉じ込め清め祓うとされ、ラトビア人にとっては家内安全のお守りのような存在。
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国民が愛するヘンプバターと若手シェフが活躍するレストラン
参照元:ラトビアで味わう、ヘンプバターと若手シェフの創造力が光るレストラン【トラムのある街】
オープンキッチンで中の様子も楽しめるカジュアルなレストラン。他にもリーガ市内のレストランは若手のシェフの活躍が著しい。自由な発想で料理をクリエイティブに楽しませてくれるレストランが多数。
中央市場でもよく見かけたヘンプ製品。中でもヘンプバターは朝ごはんとして黒パンに塗って食べるのが一般的。「命の糧」とされ、小さい子供から大人までよく食べるんだとか。バターの他にもチョコレートやケーキに入っていたり、日本でも人気のCBDオイルの種類も豊富。
日本からラトビアへの直行便は残念ながらまだないけれど、ヘルシンキ経由のフィンエアーならば一度の乗り継ぎでリーガの空港まで到着できる。初飛行から100 年を迎えた2023 年。今年は成田・関西からのヘルシンキ路線も増便する予定。機内も全面リニューアルされて長旅もさらに快適に楽しめる。
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ローカル感の漂うアットホームなマーケット
参照元:ラトビアの手仕事と味覚の宝庫。カルンツィエマ街区市場を巡る旅【トラムのある街】
もともと寂れたエリアだった地域を 10年程前から地元の修復師たちの手によって改修し、今では毎週土曜日に開催される『カルンツィエマ街区市場』が人気スポットに。地元の農産物や黒パン、ハチミツなどの加工食品の他にも琥珀のアクセサリーやミトンなど地元のアーティストによる工芸品も並び、お土産を買うにも◎。勇気を出して店主に話しかけたら、皆フレンドリーに答えてくれます。大きな市場とは違ったアットホームな雰囲気が嬉しい。
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タイムスリップしたかのよう、ラトビアの郊外で暮らすように泊まる
参照元:リーガ郊外の歴史あるマナーハウスと市場で触れるラトビアの文化【トラムのある街】
せっかくラトビアに訪れるなら郊外へも足を伸ばしてみたいところ。リーガから車で1時間30分程の場所にある『アブグンステ領主館 』は1930年代に学校として使われていた建物を、現オーナー夫妻が改築しマナーハウスとして生まれ変えた。内装から食器など細部に至るまでオーナーのこだわりが詰まったインテリアはなんとも素敵。90床ほどあり、夏は結婚式で訪れるゲストで満杯。オフシーズンならば個別利用が可能かも。予約はHP から。
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photograph & text : Yumika Asai [ONKUL]
design : Masakuni Araki [LuckTap]
re-edit:Saki Katayama