株式フジ 日経平均寄与度高い「半導体」と電力需給逼迫で「原発」に注目 猛暑の夏でアイスクリーム関連「アイスコ」「オーウイル」が急伸

日経平均株価は史上最高値更新局面にあります。日本株は極めて堅調な動きです。この段階までくると、大きな下げをイメージする投資家は急減し、さらに高い株価を想定する投資家が増えます。

とくに日経平均寄与度が高い銘柄、とりわけ半導体関連株には注目が集まります。ＡＩ市場拡大に伴い、引き続き半導体市場に拡大期待があるだけでなく、大きな資金を受け止める高い流動性があることもその理由です。

資金が流れていくのが「アドバンテスト（６８５７）」、「東京エレクトロン（８０３５）」、「レーザーテック（６９２０）」、「ＳＣＲＥＥＮホールディングス（７７３５）」、「ディスコ（６１４６）」などの半導体製造装置主力株です。

さらに２番手銘柄の「ＴＯＷＡ（６３１５）」、「東京精密（７７２９）」、「ＫＯＫＵＳＡＩ　ＥＬＥＣＴＲＩＣ（６５２５）」などにも触手が伸びていくでしょう。これらがスルスルと上がる局面では日経平均の上げ幅は大きくなり、さらに投資家を引き寄せることになります。株価上昇の典型的なパターンです。

他方、暑い日が続いています。このままだと昨年の夏と同様、「災害級の猛暑」になるかもしれません。熱中症対策はもちろんですが、電力需給逼迫（ひっぱく）も気になるところです。

８日には、想定より気温が上がり、冷房の使用が増え、電力需給が逼迫。東京電力傘下の送配電会社は、中部電力傘下企業から電力の融通を受けたとしています。東電が他社から電力融通を受けるのは２０２２年８月以来約２年ぶりのことです。

電力不足の解決には原発の本格再稼働が必要とされています。この夏、さらに政治面からの動きが強まる可能性がありそうです。その際には原子炉圧力容器など大型鍛鋼製品の「日本製鋼所（５６３１）」、原発で使われる制御装置、測定機器の「横河電機（６８４１）」などが電力各社とともに原発関連株として注目されるでしょう。

このほか、猛暑の夏では当然のようにレジャー・観光、エアコン、飲料、アイスクリーム、汗拭きシート、制汗スプレー、日焼け止め、虫よけなどに関連する銘柄が注目されます。

ここでは「アイスクリーム」に関する銘柄を取り上げます。アイスクリーム・冷凍食品の卸売りが主力の「アイスコ（７６９８）」は足元株価が急伸しています。子会社でアイスクリームを手がける「オーウイル（３１４３）」は外食の回復で数量増を見せているとのことです。どちらもスタンダード市場上場銘柄です。　（株式ジャーナリスト・天海源一郎）