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列島エイリアンズ ベトナム系大麻工場編(2)栽培拠点や乾燥状態の写真が…「大麻JP」での大胆な取引実態、専用グループにアクセスしてみた

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月31日 6時30分

在日ベトナム人らによる日本国内での大規模大麻栽培拠点が、相次いで摘発されている。

在日12年のベトナム人男性の説明では、同国の貧しい農村部では、副収入源として大麻がひそかに栽培されることも少なくなく、そういった農村部出身の技能実習生や、出稼ぎ労働者にとっては、大麻栽培のハードルはさほど高くはないという。

では、その大麻草を彼らはどのようにさばいているのか。「ネット上で堂々と販売されている」と先の在日ベトナム人男性は明かす。

Facebook上の在日ベトナム人コミュニティーを巡回してみたところ、「大麻JP」なる承認制のグループが存在することが分かった。そこで、筆者がベトナム人名で作った偽アカウントで「メンバーリクエスト」を送ったところ、数日後に無事承認され、グループ内のコンテンツを見ることが可能になった。

そこには、複数のアカウントで、栽培拠点で生い茂る大麻草の画像や乾燥状態の大麻の写真がアップされており、同時に顧客からの注文を受け付けているのだった。なかには24時間の配送対応を謳(うた)うアカウントもあった。

「ベトナムでは大麻所持や使用も違法ですが、摘発されても数千円の罰金刑が科せられる程度。そのために日本よりも格段に大麻の使用経験者は多い。日本に来ても大麻の常用を続けるベトナム人も少なくない」(先の在日ベトナム人男性)

この話には筆者にも思い当たる節があった。2年ほど前、東京・上野にあるベトナム人が集うクラブを取材したことがあるが、店内では独特な大麻の匂いがそこかしこで漂っていたのだ。ただ、その時に筆者の目をひいたのは、大麻の影響というよりは、それ以上のハードドラッグによって酩酊していると思われる若者たちの姿だった。

ただ、ベトナム人によって栽培された大麻草の全てが在日ベトナム人によって消費されているかというと疑問が残る。なにしろ、茨城県古河市などで大麻草を栽培していたとして検挙された直近の事例でも、押収されたのは大麻草2000本、末端価格5億円という規模であり、在日ベトナム人社会内で簡単にさばき切れる量ではないからだ。

=つづく

外国人材の受け入れ拡大や訪日旅行ブームにより、急速に多国籍化が進むニッポン。外国人犯罪が増加する一方で、排外的な言説の横行など種々の摩擦も起きている。「多文化共生」は聞くも白々しく、欧米の移民国家のように「人種のるつぼ」の形成に向かう様子もない。むしろ日本の中に出自ごとの「異邦」が無数に形成され、それぞれがその境界の中で生きているイメージだ。しかしそれは日本人も同じこと。境界の向こうでは、われわれもまた異邦人(エイリアンズ)なのだ。

■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。

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