岩井明愛が密かに思う〝パリ五輪切符〟 双子の妹・千怜に続き「父の日」に通算１３アンダーで逆転Ｖ 国内女子ゴルフ「ニチレイレディス」

父の日に父・雄士さん（右）に勝利を贈り喜び合う岩井明愛＝１６日、千葉市（夕刊フジ）

国内女子ゴルフ「ニチレイレディス」最終日（１６日、千葉・袖ヶ浦ＣＣ新袖コース＝６５８４ヤード、パー７２）

怒涛のバーディー・ラッシュだった。最終日９バーディー、１ボギーの６４。ベストスコアで今季２勝目（通算５勝）を逆転優勝で飾った岩井明愛（２１）である。

「同じ組の（小祝）さくらさんがスコアを伸ばしていた（最終的には１２アンダー、２位タイ）ので、気を抜くことなくリズムよく回れた」

７番から４連続バーディーを奪うなどスコアを伸ばした。そしてスーパーショットが生まれた。１６番（パー４）の３打目。「バンカーは得意なの。ピンの近くにキャリーさせてピピッと止まる球を打てれば…」と自負する。ピンまで２０ヤードでＳＷを振り抜いた。ボールはイメージ通りに転がって〝ショットインバーディー〟。「勝負のショットでした」と首位を捉えた。

「混戦、伸ばし合いはメチャメチャ楽しい」とプレッシャーはない。１７番（パー３）も１メートルを沈め、そして首位タイで迎えた最終１８番（パー５）もバンカーからの３打目を３メートルに付けて沈める。上がり３ホール、全てバーディーで締めた。

父の日。象徴である黄色のリストバンドを付け、父・雄士さんの目の前で優勝。「父は守ってくれる存在。父が近くにいると、あまり人が寄ってこない」って。ン？　「ええ、いい意味でね」と顔を赤らめた。１カ月前、母の日には双子の妹・千怜が優勝。そろって記念日を祝ったのである。

そんな明愛には思い描く夢がある。パリ五輪代表の座だ。日本は２枠で、世界ランキング（ＷＲ）順で決まる。もっか８位笹生優花は当確。残り１枠争いは１９位古江彩佳、２０位畑岡奈紗、２１位山下美夢有、４２位竹田麗央ときて４３位の明愛は５番手だが、この優勝で３０位台入りが予想される。

代表が決まるのは、明愛も出場する次週のメジャー第３戦「全米女子プロ選手権」（２０日開幕、ワシントン州）終了後。ＷＲのポイントが高いメジャーでトップ３に入れば、逆転も夢じゃない。「ええ、頭の隅にはありますし、思いはあります。いい流れのままいけるので」。果たして、でっかい夢はどうなる？！　（清水満）