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「103万円の壁」合意も〝ステルス増税〟の罠 財務省「税収減」根拠に抵抗か 自公国が経済対策に明記、引き上げ幅は年末に決着へ

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月21日 15時10分

自民、公明、国民民主3党の政調会長は20日、週内に閣議決定する経済対策に、年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」引き上げを明記することで合意した。「国民の懐を豊かにする」制度改革への期待が高まるが、国民民主党の玉木雄一郎代表は先日、総務省が地方自治体に「税収減の懸念」を表明させようと〝工作〟をしていたと暴露した。このほか、社会保険料負担が発生する「106万円の壁」撤廃や、扶養控除の縮小、所得税控除額や住民税控除額の引き下げといった「ステルス増税」も警戒されている。基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化に固執する最強省庁・財務省の動き。南米歴訪で世界に醜態をさらした石破茂首相は、国民生活を守る気があるのか。

「ついに『壁』が動きました。皆さんの1票が30年動かなかった壁を動かしました。でもまだ数センチ。勝負はこれから。後押しお願いします」

玉木氏は20日午後、自公国3党が「103万円の壁」引き上げの方針を政府の経済対策に明記することで合意したことを受け、自身のX(旧ツイッター)に、合意文書の画像とともに、こう書き込んだ。

この方針は、自民党の小野寺五典氏と、公明党の岡本三成氏、国民民主党の浜口誠氏の3党政調会長会談で合意した。壁の引き上げは、「ガソリン減税の検討」と合わせて経済対策に明記される見通しで、その裏付けとなる2024年度補正予算案の早期成立を図ることも確認した。

経済対策で打ち出す具体策はどうなるのか。

103万円の壁については「税制改正の中で議論し引き上げる」とし、ガソリン減税は「いわゆる暫定税率廃止を含め、自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」との言い回しだ。

いずれも、国民民主党の要望に沿うかたちで原案を修正したというが、最大の焦点は、国民民主党が最重点項目として主張する「所得税非課税枠を現行の103万円から178万円へ引き上げる」との提言をたたき台に、引き上げがどの程度、実現されるかだ。

浜口氏は「手取りを増やす経済対策に向けて大きな一歩を踏み出せる内容」とし、この実行を条件に補正予算案に賛成する方針を示した。

小野寺氏も、自公与党が過半数割れの現状を指摘したうえで、「今回の議論は、より丁寧に野党と協議するひな型だ」と評価している。

焦点の「引き上げ幅」は、年末の25年度税制改正で決着を図る。3党の税調会長による税制改正協議初会合でも、国民民主党が178万円への引き上げなどを議論の中心とすることを強く求めた。「減税派」と「増税・高負担路線派」による駆け引きは激化しそうだ。

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