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ダッグアウトの裏側 米国最古の球場「リックウッド・フィールド」で初の大リーグ公式戦 同球場が〝出発点〟ウィリー・メイズ氏にも思い馳せる

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月28日 6時30分

ベンチの屋根に座り試合を観戦する選手たち(撮影・リョウ薮下)(夕刊フジ)

1910年開場で、米国で使用されている球場では最古とされる「リックウッド・フィールド」(アラバマ州バーミンガム)で20日(日本時間21日)、大リーグの公式戦が初めて開催された。公式サイトによると史上初めて全審判員を黒人が務め、カージナルスがジャイアンツを6―5で下した。

当日の「主役」は、直前の18日(同19日)に93歳で亡くなった同州出身のウィリー・メイズ氏だった。同球場が黒人リーグの本拠地だった時代に16歳で契約。ここでの経験と活躍をステップにジャイアンツ入りして、歴代6位の660本塁打を放つなど3拍子そろった殿堂入り外野手となった。

追悼セレモニーが試合前に催され、同氏が名付け親のバリー・ボンズ氏やケン・グリフィー・ジュニア氏が出席。本塁後方の芝の上には永久背番号の「24」が大きくペイントされた。病気療養中で今回の観戦を断念していた同氏は、事前にコメントを寄せていた。

「今日は皆さんと一緒にいたかった。ここが私の出発点で、ここでプロ初安打も放った。それから約76年後の今年、ついに記録に残ることになった」。大リーグ機構が1920―48年に黒人リーグに所属した2300人以上の個人成績を公認し、公式記録に組み込んだことを喜んでいた。

筆者が同球場を訪れたのは11年前になる。当時はサンケイスポーツで米国野球を象徴する場所や人物をリポートする連載を担当。「リックウッド・クラシック」というマイナーリーグの公式戦を取材するのが目的だった。両軍がレトロなユニホームを着用。最古の球場の歴史を語り継ぎ、古き良き時代を懐かしむイベントだった。

正面入り口近くの黒板にはスタメンがチョークで書かれており、照明塔がグラウンドにせり出しているなど、球場の雰囲気もノスタルジーに満ちていた。選手がベンチの上に座って試合を眺めている、リョウ薮下カメラマン撮影の写真(左)が印象的で、連載をまとめた拙著『はるかなる野球大国をたずねて』(東京書籍)の表紙にしたほどだ。

20歳で初めて留学した際、書店で初めて買ったペーパーバックがメイズ氏の自伝だった。米国最古の球場でのイベントがきっかけで、さまざまな記憶がよみがえったのは筆者だけではないだろう。 (元全米野球記者協会理事・田代学)

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