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岸田首相「骨太の方針」で成長掲げるが…緊縮財政で〝骨抜き〟に PB黒字化明記で負担増必須 党内から「幸福度見捨てるな」

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月13日 6時30分

経済財政諮問会議で発言する岸田首相。国民は身も細る思いだが…=11日(夕刊フジ)

政府は11日、経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案を公表した。21日の閣議決定を目指す。デフレ脱却へ「あらゆる政策を総動員する」と強調するが、2025年の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標を堅持するなど「財政緊縮路線」も目立つ。物価高で国民生活の苦境が続くなか、「増税・負担増」につながるとして、党内からも疑問の声が出ている。経済成長も〝骨抜き〟になりかねない。

原案では、実質国内総生産(GDP)の成長率が1%を安定して上回る経済を「あるべき姿」とする一方、財政については、国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用を除いたPBを25年度に黒字化する目標を明記した。

自民党の財政政策検討本部(西田昌司本部長)は7日、国債残高の抑制や民間企業の貯蓄超過が長く続いたことがデフレの原因だとしてPB黒字化への固執に反対し、建設国債の発行を躊躇(ちゅうちょ)すべきではないと岸田文雄首相に申し入れていた。

検討本部のメンバーで、自民党内の「責任ある積極財政を推進する議員連盟」共同代表の中村裕之衆院議員は11日、夕刊フジの取材に「日本の財政は、市場の信用度を示す指標である『CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)』でみてもG7(先進7カ国)で2番目にいい。国民幸福度は世界で51位だ。先進国で2位の財政のために幸福度を見捨てるようなことはあってはならない」と語り、財政緊縮路線に懸念を示す。

1~3月期の国内総生産(GDP)でも、個人消費は4四半期連続で減少した。

中村氏は「日本が経済成長しないのは需要不足がずっと続いているからで、原因の一つにPB黒字化目標がある。通貨の信認も日本は世界の中でも高いほうなのに、それを『心配だ』と言っている。企業も家計も貯蓄超過だが、先々の負担増が見えているからお金を使わない。個人消費も企業の設備投資もマイナスで、市場は縮小している。これを政府が補って需要超過に持っていかなければ、給料が継続的に上がる社会構造にならない」と苦言を呈した。

政府は今月、4万円の定額減税を実施するが、電気料金は大幅に上昇するほか、月50~1650円の「子ども・子育て支援金」や、年間1000円の森林環境税などじわじわと負担は増している。

早稲田大学公共政策研究所招聘研究員の渡瀬裕哉氏は「経済成長を掲げながら、細かい『増税・負担増』を続けるというのは、本気で成長させる気があるのか疑問だ。経済成長を最優先にすれば自然と税収は増えるが、PBの黒字化を急ぐのは逆効果だ。物価高や賃上げへの対策で民間の取引に口を出しているが、政府が本来すべきことは消費税などの減税で、それが民間経済を活性化させ、物価高対策にもなる。旧式の補助金政策ではなく、規制改革で新しい産業を育成する姿勢も必要だ」と語った。

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