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ニュース裏表 峯村健司 安倍晋三氏、3選狙っていた 「2024有事を想定」台湾総統選、自民総裁選、米大統領選 日本の国難のかじ取りを誰に託すのか

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月24日 10時0分

安倍元首相(写真)は、習近平国家主席率いる中国の暴走を警戒して、第3次政権を見据えていた(夕刊フジ)

自民党は20日、岸田文雄首相(総裁)の後任を選ぶ総裁選を「9月12日告示―27日投開票」とする日程を決めた。その嚆矢(こうし=最初)として、小林鷹之前経済安保相(49)が19日、出馬会見を開いた。

「私が派閥に関係なく、今この場に立っている事実こそが、自民党が変わろうとする象徴になる。脱派閥選挙を徹底し、派閥に支援は一切求めない」

自民党が与党の地位を長らく占めた戦後の「55年体制」の象徴だった派閥。政治資金パーティー収入をめぐる裏金事件を受け、主要派閥は解散し、岸田首相が再選不出馬に追い込まれた。

小林氏の会見には、小林氏が所属し、解散が決まった二階派に加え、安倍派と岸田派、解散した森山派、唯一残った麻生派、無派閥の若手議員ら計24人が同席した。

まさに、「ポスト派閥」を象徴する会見となった。「派閥のたが」が外れたことで、10人を超える候補者の名前が挙がる乱戦の様相を帯びてきた。

だが、実はこの顔ぶれにもう一人、候補者が加わっているはずだった。安倍晋三元首相だ。

2020年10月、筆者は東京・永田町の衆院第1議員会館の1212号室の控室で、安倍氏と膝詰めで座っていた。中国の軍や政府の内部資料や演習などをもとに、筆者がつくった「台湾有事のシミュレーション」を説明するためだった。

そのシナリオは24年の設定だった。3期目に入って権力基盤が堅固となった中国の習近平政権が、人民解放軍による大規模軍事演習や、海警局(海上保安庁に相当)の監視船を台湾周辺に展開して、台湾併合に向けた行動を起こすというシナリオだった。

予定時間を大幅に超えて1時間半が過ぎたころ、本シナリオで想定した「二〇二四年」と記した部分を安倍氏はぐるぐると赤ペンを回しながら、筆者を凝視しながら声のトーンを上げた。

「この年は極めて重要ですね。1月の台湾総統選だけではなく、9月には自民党総裁の任期もある。そして、11月の米大統領選と続く。こうした混乱期に、この国を誰が導いているかが極めて重要だと思います」

このとき、安倍氏が「3度目の首相を考えているのでは」と、筆者は感じた。このレクチャー後、筆者が安倍氏の控室に呼ばれてレクチャーをする頻度が増えた。

毎回必ず尋ねられたのは、「台湾有事」関連だった。レクチャーを重ねるごとに、その質問はより現実的かつ具体的な内容となっていった。安倍氏が3選を狙っているという筆者の仮説は、確信へと変わった。

だが、その安倍氏は22年7月8日、奈良市で参院選の応援演説中に凶弾に倒れた。

そして、安倍氏が4年前に予想した通り、中国は台湾に軍事的圧力を強め、米大統領選の行方も混沌(こんとん)としてきている。

こうした日本の国難のかじ取りを誰に託すのか。今回の自民党総裁選の意義は極めて重い。 (キヤノングローバル戦略研究所主任研究員・峯村健司)

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