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久住昌之 するりベント酒 「唐揚げうどん弁当」…とな? スーパーで見つけた変な弁当、チャレンジを理由に買ってみたら「想像通り」の展開に

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月16日 10時0分

(夕刊フジ)

スーパーで変な弁当を見つけた。

「かつおぶし香る健農鶏唐揚げうどん弁当」。499円。

商品名が長い。「かつおぶし香る」はいらないんじゃないだろうか。見ればわかるし。まあ余計なお世話だが。

「うどん弁当」というのも初めてだ。

今までうどんとかミニそうめんを、ボクが勝手に「これを弁当とする」と決めつけてこの連載で取り上げたことはある。

だがこの商品は、自らうどん弁当と名乗っている。自分から言われるとたじろぐ。

「ポマード香る七三分けかつら帽」と言われているようだ。かつらだと正直に言いながら帽子である、と言われているようだ。返す言葉がない。

これは、見たところ焼きうどんのようだ。そう思わせるのは、上にかかっている削りぶしのせいかもしれない。が、うどんは焼いていないようだ。

うどんは白い。そして汁的なものはかかっていないように見え、だが容器内に、これにかける付属のスープ的なものも見えない。

どういうことだろう?まあ汁がないから、カバンの中でそれが漏れ出して悲劇、ということはなさそうだ。その辺が「弁当」という呼称の所以か。

つまり唐揚げ弁当の、ごはん部分をそっくりうどんに変えたもの、という。

でもそれじゃ、食べにくくないか?

という心配を含め、この連載には面白いチャレンジなんじゃないか?という理由で買ってみた。

さて、うちに持って帰って、蓋を開けてみた。汁的なもの、やはり入ってない。

箸で唐揚げをどけてみた。

やはり全部真っ白いうどんである。

そのうどんを箸で二、三本つまみ上げようとした。

できない。想像通り、麺同士がくっついている。そりゃそうだ。汁がないんだから。

とり唐揚げをひと切れ食べてみる。箸で取ると、ひと切れが半分に薄く切ってあり、食べやすい大きさだ。

うん。まあ、おいしい。やや味が濃い。やはりうどんと一緒に食え、ということだろう。うどんに箸を入れ、強引に引っ張り出す。ブチブチ切れる。そりゃそうだ。

うどんはほどほどにコシがあり、ほどほどに柔らかく、味はいいと思う。

でも味付けはない。追っかけて鶏を一口食う。

……うん。まあ、なんというか。

これ、どうしろというのだろう。ひと言、食べにくい。うどんに潤滑油が欲しい。

我慢できず、冷蔵庫から麺つゆを出してきた。鶏をどかして麺部分をあらわにして、少しだけかけて箸でほぐしてみる。そしたらうどんは解けて、うどんらしい、イキイキとした自由な麺らしさを取り戻した。

食べてみると、まあ、麺つゆうどんだ。

普通においしい。でもこうなると唐揚げがちょっと塩っぱい。うーん。これはマヨネーズを少し導入、麺つゆと削り節との仲を取り持ってもらうか。

やってみると少し焼きうどんぽくはなった。うどん自体はおいしい。ちょっとソースをかけるか。いや、醤油か。いろいろ試行錯誤して、なんとか全部食べたが、手強い弁当だった。疲れた。

(マンガ家、ミュージシャン・久住昌之)

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