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石破政権で日米関係に不安、鳩山首相の二の舞か 地位協定の見直し・アジア版NATO〝実現困難な政策〟打ち出し不信感

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月6日 10時0分

「アジア版NATO」も実現に向けたハードルが高い。

米国や欧州各国などによる軍事同盟であるNATOは、加盟国に対する攻撃を全加盟国に対する攻撃とみなし、集団的自衛権を行使することを規定している。だが、日本は集団的自衛権の全面的行使を違憲としており、石破首相が唱える構想がNATOに倣うのであれば、憲法改正や政府解釈変更が必要になる。

地域の事情も違う。

前出の山上氏は「NATOの加盟各国は『旧ソ連(ロシア)の脅威』を認識しているという点で一致しているが、アジアは事情が異なる。仮に、中国を脅威として結成しても、各国の対中姿勢に温度差が生じる可能性がある。本気で交渉に入れば5~10年は要するだろう。『台湾有事』の危機をはじめ、日本にとって喫緊の課題があるなか、リソースの無駄遣いではないか。日米地位協定の改定と同様、アジア版NATOは理想論で、心情的に理解できても最重要課題として論じるべき問題ではない」と語る。

〝地位協定見直し〟が米大統領選に影響も

日本の首相が「実現性困難な政策」を打ち出し、米国との関係がこじれたケースは過去にもあった。

民主党代表だった鳩山氏は09年7月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先について、「最低でも県外」と言って同年8月の衆院選で政権交代を果たした。鳩山氏は首相就任後、当時のバラク・オバマ大統領にも「トラスト・ミー」と胸を張った。

ところが、鳩山氏は1年足らずで、「学べば学ぶほど抑止力(が必要と)の思いに至った」と豹変し、「(沖縄)県内移設」を容認した。この過程で米国側の不信感は高まり、鳩山氏は「ルーピー(愚か)」と呼ばれ、日米関係は混乱した。

福井県立大学の島田洋一名誉教授は「米大統領選が終盤に近づくなか、民主党のカマラ・ハリス副大統領も、共和党のドナルド・トランプ前大統領も米軍関係者の票を気にしている。地位協定の見直しは米兵の待遇に直結するため、米国を刺激する恐れがある。このタイミングで持ち出せば、日米関係を悪化させた鳩山政権の二の舞になりかねない」と語った。

石破首相の〝身内〟にも困難さを認める声が出ている。

総裁選の推薦人に名前を連ねた岩屋毅外相は2日の就任記者会見で、「時間をかけて中長期的に検討すべきだ。今、直ちに、相互防衛義務を負う機構をアジアで設立するのは難しい」と語った。

それで、自民党の党員・党友や、沖縄県民、国民は納得するのか。

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