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日本美女目録 久我美子という女優 戦後2年…新生日本とともに女優人生の始まり ふっくらした久我美子は激カワ「春の目ざめ」(1947年)

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月14日 6時30分

気高い美しさを持った人だった(夕刊フジ)

6月9日に誤嚥性肺炎のために93歳で死去した女優、久我美子。オールドファンにとってマドンナだった。その面影をしのび出演作を振り返る。

貴族院議員、久我通顕の長女として1931年1月21日に旧東京市牛込(現新宿区牛込)に生まれている。世が世ならば雲の上の人、正真正銘のお姫さまなのだ。

ちなみに久我家は、村上天皇の流れをくむ清華家という家柄で、これは大臣・大将を兼ねて太政大臣になる資格のある7家(三条、西園寺、徳大寺、花山院、大炊御門、菊亭、そして久我)の筆頭格である。

女子学習院(女学校課程)に在学中、東宝ニューフェースに合格、女優の道に足を踏み入れる。中退して「四つ目の恋の物語」(1947年)というオムニバス映画の第1話「初恋」でデビューした。

この第2話「別れも愉し」で脚本を書いた成瀬巳喜男氏が監督を務めたのが、同年の「春の目ざめ」で、もちろん初主演だ。順調な女優人生を歩み始めた。当時16歳だから今でいえばアイドル映画といっていいだろう。

主役である若者たちのキャラが明確で、さすが成瀬監督とうならせる。無垢な思春期から離れることに苦悶する者、小説家になろうと逃げる者、死や哲学に興味を抱いて新しい悩みを見つける者、絵描きになりたいと願う者。それぞれが右往左往する人生の新しい交差点。

異性との対処の仕方を知らず、性教育を受けていない時代の若者たちがどう生きていこうとするのか。現代の若者がこの映画を見て笑い転げるのか、意味が分からんとそっぽを向くのか。

久我の演じる久美子は厳格な両親に育てられたため、男の子にむりやり接吻されて悩むが、妹に「お姉さんは子供なの? 大人なの?」と揶揄され、自分の幼さに気づく。気が晴れた彼女はグループでハイキングに行くことにする。

ふっくらした久我は激カワだ。「どうしたら赤ちゃんは生まれるの?」と聞かれて大人はタジタジ。戦後、表現規制が取り払われたとはいえ、あけっぴろげの芸者役、飯田蝶子もさすがにどこまで言っていいやらという感じが出ている。黒板にオッパイの絵を描く同級生もいて、解放感に満ちている。

戦後2年、ようやく落ち着いてきた新生日本。久我の初主演はある意味インパクトがあった。 (望月苑巳)

■久我美子(くが・よしこ) 女優。1931年1月21日~2024年6月9日。93歳没。46年、第1期東宝ニューフェースに合格。同期には三船敏郎、堀雄二、伊豆肇、若山セツ子、堺左千夫らがいる。47年に映画デビュー。70年代以降はテレビ・舞台を中心に活躍してきた。

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