イスラエルに180発以上、イランがミサイル攻撃 報復の応酬で泥沼化か「代償を支払うことに」ネタニヤフ首相が宣言
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月2日 14時59分
中東情勢が新たな局面を迎えた。イラン革命防衛隊が1日、イスラエルに対する弾道ミサイル発射に踏み切ったのだ。イランによる直接攻撃は4月以来2回目で、親イラン民兵組織ヒズボラの指導者のナスララ師らがレバノンで殺害されたことへの報復攻撃と主張した。イスラエルメディアによると、中部テルアビブで2人が軽傷を負った。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は報復を宣言しており、識者は「事態泥沼化」の恐れを指摘する。
「イランは大きな過ちを犯した。代償を支払うことになるだろう」
ネタニヤフ氏は1日、ビデオ声明でこう非難した。
イスラエル軍は、飛来したミサイルは180発以上と分析し、迎撃し切れなかった一部が着弾したことを認めた。
一方、革命防衛隊は声明で「イスラエルが反撃したら、より激しく攻撃するだろう」とし、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領はX(旧ツイッター)への投稿で「イランは好戦的ではないが、いかなる脅威にも断固として対応する」と強調した。
国連のアントニオ・グテレス事務総長は1日の声明で中東での紛争拡大を「止めなければならない」と訴えた。安全保障理事会は、中東情勢を協議する緊急会合を2日午前(日本時間同日夜)に開くことを決めた。
事態は今後どう動くのか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「4月の攻撃は限定的だった。今回の弾道ミサイル180発が事実であれば、イランの攻撃はポーズではないようにみえる。イスラエルが今後、イラン本土への空爆など直接衝突に発展する可能性もゼロではなく、報復に続く報復で泥沼化も懸念される。米国も大統領選を控えて政治空白が生じているので、流れを止める要因もない。中東の不安定化が予想されるため、原油価格高騰などのリスクも考えられる。日本も警戒は怠れない」と語った。
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