株価暴落に〝狼狽〟の日銀、1週間で「タカ派」から「ハト派」へ 内田副総裁が朝令暮改「これまでより慎重に考えるべき」
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月8日 15時30分
これで市場の動揺は収まるのか。日銀の内田真一副総裁は7日、北海道函館市で記者会見し、金融市場が不安定だとして、今後の追加利上げの判断は「これまでより慎重に考えるべき要素が生じている」と述べ、当面利上げしない考えを示した。7月31日に植田和男総裁が年内の追加利上げを示唆し、史上最大の株価暴落を招いていた。狼狽した日銀は1週間で大幅な軌道修正を余儀なくされたが、今後の情報発信への信頼性も問われそうだ。
内田氏は会見に先立つ午前の講演で、2%の物価安定目標の実現に近づけば、追加で政策金利を引き上げていく日銀の基本姿勢に改めて言及しつつ「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」と述べた。
「当面、金融緩和をしっかりと続ける必要がある」とも強調し、市場が激しく動いている間は追加利上げを行わない考えを示した。
午後の会見では、金融市場が落ち着く時期は不透明だとして「緊張感を持って見ていかないといけない」と述べた。日経平均の暴落は日銀の利上げが引き金だったとの見方が市場で出ていることについて聞かれると、内田副総裁は「基本的には、米国経済の減速懸念を契機として世界的な市場の変動が起きた。その中で、日銀の政策変更に伴って円安の修正が進み、日本の株価が他の国よりも大きく下落した」と認めた。
その上で、追加利上げは円安修正を通じて「物価の上振れリスクを減らした」と指摘。物価が急上昇するリスクは低いとし、利上げの時期を「選べる」と語った。
内田副総裁は市場の動向を重視するとして追加利上げに終始慎重だった。これが日銀の姿勢だとすると、なぜ7月末時点で植田総裁があそこまで強気だったのかが理解できない。利上げに積極的な「タカ派」から1週間で「ハト派」に変わった理由を植田総裁自身が説明すべきだ。
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