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日本の解き方 自民と立民が「増税路線」で同調 歩調合わせ減税に否定的、震災後の悪夢が繰り返される 財務省には〝千載一遇の好機〟か

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月19日 10時0分

立憲民主党の野田佳彦代表(右)と握手する自民党の石破茂総裁=1日、国会内(夕刊フジ)

金融所得課税の強化について、石破茂首相は自民党総裁選で取り上げた後で引っ込めたが、ここにきて立憲民主党の野田佳彦代表が「25%への引き上げもあり得る」と強調した。野田氏は法人税も上げる余地があると述べたという。衆院選のタイミングでこうした発言をした狙いはどこにあるのか。

石破政権はブレるので、金融所得課税については再びブレて「課税強化」を言いかねない。

はっきり言えば、消費税について、自民党と立憲民主党がシンクロしているのが気になる。

与野党党首は13日のNHK番組で論戦した。石破首相(自民党総裁)は、消費税率について「引き下げることは考えていない。当面、上げることも考えていない」とした。減税はやらない方針だ。

立憲民主党の野田氏も消費税の減税に関し「高額な所得者が額として一番恩恵を受ける」と述べた。一般的には、消費税は逆進性があるので、減税は低所得者層ほど有利になる。だが、わざわざ額に言及して分かりにくくしているが、要は減税しないということだ。

他の野党党首は減税に言及しているのに、自民と立民は歩調を合わせて減税に否定的だ。

立民の新代表が決まった段階で危惧していたが、野田氏といえば、民主党政権時代に消費増税という財務省の戦略にまんまと乗り、一部では「使い勝手ヨシヒコさん」とも揶揄(やゆ)されていたらしい。

石破首相も、財政緊縮と金融引き締めで有名だった人だ。衆院選では自民党と公明党は苦戦が見込まれ、自民の過半数割れを予測する人も少なくない。有権者の動向によっては自公で過半数割れもあり得る状況だ。その場合、負け方にもよるが、自公と立民による「大連立」にならないともかぎらない。仮に「台湾有事」になると、大連立の大義名分ができる。

そうした話は東日本大震災の時にあった。実際には大連立にはならなかったが、当時の野田首相と野党だった自民党の谷垣禎一総裁はともに増税志向だったので、復興増税と2度の消費増税というホップ・ステップ・ジャンプという財務省の野望が実現した。財務省は、大連立にならなくても、この東日本大震災の後の増税路線の再来を狙っているのではないか。

歴史は繰り返すという。増税したい財務省からみれば、自民と立民の両トップが増税志向だというのは千載一遇のチャンスだ。しかも、立民の野田代表は、過去の消費増税の立役者なので、再び増税をやってくれそうだと期待してもおかしくない。今回は野党なので、石破首相を誘導することも考えられる。

野田代表から金融所得課税25%や法人税増税を言い出したのも、そのための戦略ではないだろうか。早速、石破首相は防衛増税を言い出した。金融所得課税は金持ち優遇の是正、法人税増税は利益をため込んで吐き出さない企業へのペナルティーというキャッチフレーズだろう。そこで増税に勢いをつけ、次には社会保障にかこつけて再び消費増税というシナリオを財務省は描いているのではないか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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