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ニュース裏表 峯村健司 米大統領選「ほぼトラ」現実味 バイデン氏撤退は時間の問題も…代わる有力候補なし 日本政府はトランプ氏復活前提の対策が急務

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月20日 10時0分

筆者は14日(米国時間13日)朝、米共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が東部ペンシルベニア州で開いた集会での演説をテレビ中継で見ていた。いつものように大きな身ぶり手ぶりを交えながら聴衆に訴えかけている。クライマックスに差し掛かったところで突然、後ろを振り向いたトランプ氏は虫を追い払うように右耳を触ると、演台にしゃがみこんだ。

ステージから百数十メートル離れた地点から発射された10発ほどの銃弾のうち、1発はトランプ氏の右耳に当たった。他の2発もトランプ氏の頭をかすった。トランプ氏が正面を向いていたら頭部に命中していたのは間違いない。

「戦うぞ!」

トランプ氏は耳から血を流しながらもシークレット・サービスに抱えられながら拳を突き上げて叫んだ。この姿を撮影した米AP通信の写真は、米メディアのトップニュースを飾った。背景に映し出された星条旗とのコントラストは、トランプ氏の支持者ではなくても、多くの米国人の心に響いたのは間違いない。

事件後、米保守系メディアのインタビューに応じたトランプ氏は、15日から始まった共和党大会での演説についてこう語った。

「とても勇ましい演説を用意していたが、あの経験の後ではそんなことは言えない。国を一つにするチャンスを与えられたのだ」

党大会では、大統領選を闘いトランプ氏を厳しく批判してきたフロリダ州のロン・デサンティス知事や、ニッキー・ヘイリー元国連大使らも次々とトランプ氏への支持を表明した。トランプ氏は確固たる共和党候補の地位を固めたといっていいだろう。

一方、現職で民主党のジョー・バイデン大統領は、6月27日に第1回大統領選テレビ討論会で度重なる失言をした影響が響いている。同28日の米CNNの世論調査では、67%が「トランプ氏勝利」と回答したのに対し、「バイデン氏勝利」と答えたのは33%にとどまった。バイデン氏本人は選挙戦を続ける意向を明らかにしている。だが、民主党の下院議員の中にはバイデン氏に対し、選挙戦から撤退するように求める書簡を出す動きが出ている。

さらに追い打ちをかけるように、バイデン氏が新型コロナウイルス検査で陽性になったとホワイトハウスが17日発表した。選挙関連のイベントもキャンセルされた。民主党関係者は語る。

「バイデン氏の撤退は時間の問題といえる。ただ、今のところバイデン氏に代わる有力候補がいないのが現状といえる」

カマラ・ハリス副大統領のほか、ピート・ブティジェッジ運輸長官、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事らの名前が挙がっている。だが、世論調査を見ると、いずれの候補もトランプ氏と一騎打ちになった場合、支持率は下回っている。

日本メディアはこれまで、トランプ氏が当選する可能性がある「もしトラ」を念頭に報じてきた。だが、すでに「もしトラ」ではなく、トランプ氏がほぼ当選する可能性がある「ほぼトラ」が現実味を帯びてきた。

日本政府は「トランプ大統領」復活をメインシナリオとして、対策や態勢づくりをすることが急務だ。 (キヤノングローバル戦略研究所主任研究員・峯村健司)

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