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天野秀夫 中小型厳選株 日経平均大暴落、目先は落ち着きを待ちたい 「トライアルHD」九州で再開発進行中 3月にIPO、今期決算の上振れ着地有望

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月8日 6時30分

週初の日経平均は1989年10月のブラックマンデー時の下げ幅を上回る大暴落となりました。引き金は米国のリセッション(景気後退)懸念の強まりと為替の円高進行です。

日経平均は下げ幅がドラスチックだっただけに、この先、短期的なリバウンドはあるでしょうが、米国は緊急利下げの思惑が台頭し、日銀の追加利上げは難しくなって、これが為替のさらなる円高につながる懸念も出てきました。

下落の一要因となった為替動向を注視する必要があり、8日発表の日銀会合の主な意見(7月30日から31日開催分)、米前週分の新規失業保険申請件数を受けた相場動向を見極めることが求められます。8日には日経平均への影響度が大きい東京エレクトロン(8035)の決算発表、週末9日にはオプションSQ算出も控えて、指数的にはボラティリティー(変動率)が高い展開が予想されます。

東証グロース250指数は、2020年3月以来となる約4年4カ月ぶりの安値水準に下落し、日経平均よりも下落率が大きくなっています。品薄株が多い市場である相場的なもろさがあり、目先は落ち着きを待ちたいところです。こうした局面ではグロース株の中でも流動性が高く、需給面で戻り売りが限られる直近IPO(新規上場)、業績見通しが良好、そして為替の円高の影響を受けにくい銘柄から戻りを試す可能性があります。

今年3月にIPOし、東証グロースで時価総額トップの3000億円規模を誇る銘柄でディスカウント・食品スーパーチェーンを展開する「トライアルホールディングス」(141A)に注目しておきましょう。

集計中の24年6月期連結決算は売上高7110億6700万円(前期比8・9%増)、営業利益185億7500万円(同33%増)、経常利益190億4500万円(同32・6%増)、当期利益107億7400万円(同33・3%増)で、連続で過去最高益を更新する見込みです。第3四半期(7~3月)時点での通期営業利益に対する進捗(しんちょく)率は82%強に達しており、上振れ着地が有望です。

3連休明けの13日に本決算発表を予定しています。焦点の今25年6月期業績予想ですが、同社が営業地盤とする九州では、熊本でのTSMC(台湾積体電路製造)進出による建設ラッシュ、福岡市東区における九州大学箱崎キャンパス跡地の大規模再開発、トヨタ自動車による福岡県で電気自動車(EV)向けバッテリー工場新設に伴うEV供給網を構築構想、そして、10月の長崎スタジアムシティがグランドオープンと再開発、大規模施設の完成でヒト・モノ・カネが活発に動いています。こうした九州の特別な事情が今期業績にも寄与することが期待されます。

4月最高値3180円から5月にかけて調整した後は下値を切り上げる展開となり、時価は2500円水準。株主還元姿勢などを確認した13日の決算発表後でも遅くなく、チェックリストに入れておきましょう。

■天野秀夫(あまの・ひでお) 日本大学法学部卒。1987年4月、日本証券新聞社に入社。記者、編集局長などを経て、代表取締役社長を12年近く務める。2017年4月、独立。証券・金融界、上場企業経営者とのパイプを生かし金融リテラシーへの貢献を目指す。

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