1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

70年目の「七人の侍」リスペクト三昧 選ばれた囚人12人の根底に〝サムライ魂〟アルドリッチ監督も「七人の侍」を意識 実在の部隊がモデル!?「特攻大作戦」(1967年)

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月20日 11時0分

今回は「特攻大作戦」(1967年、ロバート・アルドリッチ監督)。原作は65年に発表され、200万部を売り上げたE・M・ナサンソンのベストセラー小説「12人の囚人兵」。米国で「七人の侍」が公開されたのが56年だから、彼が映画を見て書いたとしてもおかしくはないが、憶測の域は出ない。アルドリッチ監督も「本家」の影響は語っていないが、つぶさに見てみると意識していることが分かる。

7人と12人の違いはあるが、実力を試して仲間に引き入れるとか、金も名誉も得られないと分かると断るが、考えを改めて仲間に加わるキャラを作っていることなどだ。

破壊工作の専門家、アメリカ陸軍のライズマン少佐はノルマンディー上陸作戦前にドイツ軍将校の保養所をたたく計画を命じられる。陸軍刑務所に収監された囚人から12人を選んで作戦を決行せよというのだ。

この作戦で囚人12人のうち生き残ったのはウラディスローだけ。ウラディスローは無罪になり、死んだ囚人たちも罪を放免され名誉が回復される。このあたりも「七人の侍」と似ている。

「本家」ではラストシーンで4つの土まんじゅうに突き立てられた刀が印象的だったが、こちらは代わりに死んだ11人の無罪という褒章がそれを表している。守る寒村と攻める城館という違いがあるが、それは土俵(場面設定)の違いによるところが大きいのでやむを得ない。

原作者のナサンソンは友人の戦場カメラマンから、軍紀に反して刑務所に入れられた厄介者を選び、危険な軍務をこなす部隊があると聞かされたという。軍はその存在を否定したため、仕方なくフィクションとして発表したという経緯がある。

実はノルマンディーで活躍した「フィルシー・サーティー」と呼ばれた陸軍の部隊は、隊員はすべてモヒカン刈りで上司の命令など馬耳東風な荒くれ者ばかりだったというから、あながちフィクションとはいいきれない。

いつでも上司に反抗的な人物はいるものだ。これも「七人の侍」における三船敏郎の演じた菊千代や宮口精二の久蔵のような粗野で無鉄砲な性格をほうふつとさせる。

どちらにしてもベースに「本家」のサムライ魂のようなものがあふれている。 (望月苑巳)

■特攻大作戦 日本公開は1967年10月6日。出演は、リー・マービン、アーネスト・ボーグナイン、リチャード・ジャッケル、ジョージ・ケネディ、ロバート・ライアン、チャールズ・ブロンソン、ジョン・カサヴェテス、ドナルド・サザーランド、テリー・サバラスら。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください