川尻哲郎「TIGER STADIUM」店主敬白 店の売り上げと直結…球児阪神に相当期待 青柳晃洋がフィリーズとマイナー契約、実力がないとメジャーは難しいが…頑張って

ついにこの日が来ました。夕刊フジの休刊に伴い、昨季のプロ野球開幕に合わせて始まった当連載「店主敬白」も今回が最後となりました。

店にやってきたお客さんから「フジの連載、読んだよ。面白かった」とおだてられては調子に乗って、店の雰囲気を交えつつ何だかんだと書いてきました。終了となると本当に寂しい。でも、短いながらもいい経験をさせてもらいました。

新聞業界のみならず、今われわれ飲食業界を取り巻く環境も厳しいものがあります。帝国データバンクによると、2024年度の飲食店の倒産は894件で、過去ワーストを更新したそうです。業種別でいうと居酒屋が一番多かったとか。コロナ関連の資金繰りの支援終了や物価高と倒産の理由は想像できます。

私の店も他人事ではありません。東京・新橋に開業して5年目に突入。他にもプロ野球OBで自分の店を出されている方もいますが、お酒を楽しく飲んで阪神タイガースの試合を大型テレビで〝生観戦〟できる、スポーツバーを経営しているのは私だけです。

もっとお客さんに長く愛されるよう、もっと努力していきたい。すでに今岡君や井川君ら後輩の阪神OBも来店して、お客さんを楽しませてくれました。今年は新たに、大先輩である前監督の岡田彰布さん（67）にぜひ店に来ていただこうと思っています。また、今後はさらに阪神OBが一同に大集結し、お客さんが驚くような催しも密かに企画しております。

ただ、私の店の売り上げはどうしても、阪神タイガースの成績に左右されます。日本一に輝いた一昨年は予約が殺到して本当に感謝。だからではないけど、後輩である球児、いや藤川監督には相当に期待しております。

世間では指導者経験がないとか不安も指摘されますが、大事なのは指揮の執り方にセンスがあるかどうか。戦力はあるわけだし、どれだけ選手をついてこさせるかが一番の鍵になるでしょう。

そういえば今月18日には、私と同じ右横手投げの青柳晃洋投手（31）が阪神からポスティング制度を活用して、米大リーグ・フィリーズとのマイナー契約が決まりました。実力がないとメジャーは難しいけど、持っている力を精一杯出して頑張ってほしい。と、まあ、まだまだ書きたいことはありますが…、あえてサヨナラは言いません。ありがとうございました！　（元阪神投手、スポーツバー店主・川尻哲郎）