昭和歌謡の職人たち 伝説のヒットメーカー列伝 作詞・作曲家、佐々木勉 「別れても好きな人」男女デュエット版で紅白出場 時代性を反映、ユーモアに富む「三年目の浮気」も大ヒット
zakzak by夕刊フジ / 2024年10月10日 15時30分
佐々木勉さんは幼少期からバイオリンを習い、高校でラジオ「素人ジャズのど自慢」で優勝すると、バンドを結成し米軍キャンプを巡る。
大学生で「小坂一也とワゴン・マスター」に参加。卒業すると会社勤務しながら作曲活動を行い、1964年、清原タケシの「星に祈りを」で作詞・作曲家デビューを果たす。
66年、大学在学中の黒澤久雄らが結成したザ・ブロード・サイド・フォーが「星に祈りを」をカバーし、広く知られるようになる。また同年にはザ・サベージの「いつまでもいつまでも」も手がけ、カレッジ・フォークといわれたマイク真木、加山雄三に続くヒット曲になった。大学の学園祭では学生たちが「いつまでも いつまでも」と肩を組んで歌っていた。
その後、音楽プロデューサーとして、榊原郁恵の「夏のお嬢さん」といったアイドル系やアニメソングの主題歌など幅広いジャンルで活躍した。
ムード歌謡のデュエット曲として大ヒットした「別れても好きな人」も手がけている。最初に69年に松平ケメ子盤、次いでパープル・シャドウズ盤、75年にロス・インディオスの男性ボーカル版がリリースされた。
決定版となったのが、79年にロス・インディオス&シルヴィアとしてリリースされた男女デュエット版だ。80年にかけてミリオン・セラーとなり、レコード大賞ロングセラー賞、日本有線大賞ベストヒット賞に輝く。そして「NHK紅白歌合戦」初出場を果たす。
この流れは続き、82年にはヒロシ&キーボーの「三年目の浮気」が3週連続でオリコン1位を獲得し、73万枚を売り上げ、翌83年には累計130万枚の大ヒットになる。浮気した男の開き直りとそれを責める女の会話という内容のため、NHK紅白歌合戦には出場できなかったが、2008年に歌唱披露された。時代性を反映したリアルさとユーモアに富んだ作品だった。
歌詞の最後は「両手をついて あやまったって 許してあげない」。当時、カラオケで大いに盛り上がったものだが、大半の男性は薄笑いである。歌詞は聴く側の胸を突くのである。
その後、アンサーソングとして「5年目の破局」が発売されている。
■佐々木勉(ささき・べん) 1938年12月26日―85年3月11日、46歳没。東京府出身。
■篠木雅博(しのき・まさひろ) 株式会社「パイプライン」顧問、日本ゴスペル音楽協会顧問。1950年生まれ。東芝EMI(現ユニバーサルミュージック)で制作ディレクターとして布施明、五木ひろしらを手がけ、椎名林檎らのデビューを仕掛けた。2010年に徳間ジャパンコミュニケーションズ代表取締役社長に就任し、Perfumeらを輩出。17年に退職し現職。
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