「シー・シェパード」創設者の勾留延長、日本に引き渡されるのか 野口健氏が政府対応を批判「〝テロ許さない〟国際社会に発信を」
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月16日 15時30分
デンマーク自治領グリーンランドの警察は15日、7月に拘束した反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者、ポール・ワトソン容疑者について、裁判所が9月5日までの勾留延長を決定したと明らかにした。ワトソン容疑者は決定を不服として上訴したという。ロイター通信が報じた。当初の勾留期限は今月15日だった。日本政府はワトソン容疑者の身柄の引き渡しを求めているが、欧米では政治家や著名人が釈放を求める動きが広がっている。日本政府はこのまま放置していいのか。
ワトソン容疑者は7月21日、日本の捕鯨母船「関鯨丸」の操業を妨害するためグリーンランド中心都市ヌークへ船の給油などで立ち寄り、地元の警察に拘束された。日本側は同月31日、デンマーク政府に身柄の引き渡しを要求した。
シー・シェパードはこれまで、メンバーが捕鯨船に乗り込んだり、抗議船が調査捕鯨団の監視船に衝突したりするなど過激行動を繰り返した。東京海上保安部は2010年、調査捕鯨船団に酪酸入りの瓶を投げて船員にけがをさせた事件の共犯として、傷害と威力業務妨害の容疑でワトソン容疑者の逮捕状を取得した。日本の要請を受け、国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配していた。
デンマーク当局は9月5日の勾留期限までに身柄引き渡しの是非を判断するとみられるが、反捕鯨国が多い欧米では各地でワトソン容疑者の釈放を求める声が上がる。フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、身柄を日本に引き渡さないようデンマークに強く求め、人気映画「007」シリーズで5代目ジェームズ・ボンド役を演じた俳優、ピアース・ブロスナンも釈放を要望している。
今回の問題について、林芳正官房長官は2日の会見で「関係国機関への必要な働きかけを含め、適切に対応していく」と述べたが、識者は日本政府の対応をどうみるか。
「遺憾砲もなく、情けない通り越してあきれている」
アルピニストの野口健氏は「何かあると日本政府は『遺憾砲』を放っているが、今回はそれもない。情けないを通り越してあきれている。最低限、在日フランス大使を外務省に呼び出して注意すべきだろう。シー・シェパードのやってきたことは極めて悪質だ。『主義主張はいろいろあるにせよ、テロを決して許してはならない』というメッセージを国際社会に伝えるべきだ」と話した。
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