ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 激突!トランプ氏vsハリス氏、ダイナミックに動く米大統領選 いずれにしても日本のリーダーに必要なのは「骨太の安全保障」
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月31日 11時0分
米大統領選がダイナミックに動いています。ペンシルベニア州での共和党員集会中にドナルド・トランプ前大統領が銃撃された暗殺未遂事件を受け、直後の共和党大会ではトランプ氏を中心に党内が結束しました。共和党候補の正式指名を受け、当選の可能性が高まったと言われました。
その後の選挙運動やメディアのインタビューで、トランプ氏は国内外の課題に積極的に発言しました。
その中には東アジア情勢も含まれ、中国の習近平国家主席から事件後、「美しい手紙」を受け取っていたことを明らかにしました。内容については明かさなかったものの、「素晴らしい男(習氏)は、何が起きたのかを知ると、美しい手紙を私に書いてよこした」と述べました。
また、台湾については「米国の半導体事業を奪った」とし、「われわれに防衛費を払うべきだ」とも発言。東アジア全体のコミットメントを疑わせるような言動で同盟国を不安にさせました。
一方、共和党大会終了直後、ジョー・バイデン大統領が選挙戦からの撤退を表明しました。後継としてカマラ・ハリス副大統領を指名し、米メディアは「世代交代」「米国史上初の女性大統領に」と持ち上げました。
これまで「ダブル・ヘイター」と呼ばれた「過激な主張に見えるトランプ氏にも入れたくないが、認知に問題があると見えるバイデン氏もムリ」という無党派層がハリス氏支持に傾いているといった報道や、若年層に「ハリスはbrat(おちゃめ)だ!」というブームが生まれているといった報道もあります。
ハリス氏はもともと、バイデン氏以上に若年層に多い「急進的リベラル派に近い」と言われていました。それゆえ若年層にブームが起きても不思議はないのですが、この層の支持は日本のような同盟国にとっては不安要素です。
これら急進的リベラル派の代表格である民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員や、同党のイルハン・オマル下院議員ら30人余りの議員は、ロシアによるウクライナ侵略に際して、ロシアとの直接交渉による早期停戦を求める書簡を出しています。
これが問題だったのは、ウクライナの将来を考え、「力による現状変更を許さない」という原則を尊重するのではなく、短絡的に「米国内に注力するためにもウクライナに関わるな」という言説だったからです。
副大統領時代、同盟国である韓国と北朝鮮を間違えて演説するようなハリス氏ですから、外交よりも内政を重視する可能性は考慮に入れておかなくてはいけません。
トランプ氏、ハリス氏、いずれにせよ米国の東アジアへのコミットメントが減るかもしれないと思って、われわれは備えなければいけません。それを意識して進める日本のリーダーが必要です。
かつてトランプ氏に「タフだ」と言われたとかではなく、「骨太の安全保障」を議論してもらいたいものです。
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。
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