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肉道場入門! 肉党なら「角煮」一択 噛み心地のいい質感を残した煮加減 高田馬場「炊きたてあり〼」の心に沁みる豚の角煮定食

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月27日 6時30分

角煮で炊き立てのごはんを食べたい(夕刊フジ)

★絶品必食編

数ある肉料理のなかで「角煮」ほど端的にその正体を表現する料理名はないのではないか。

大きめの角切りにした豚のバラ肉を醤油、酒、砂糖など、甘辛く味つけをし、とろとろになるまで煮込む。仕上げに白髪ねぎや練り辛子をあしらうかどうかはさておき、現代では「角煮」と聞けば、誰もが素材から調理・調味まで似た仕上がりを想像するのではないか。

「角煮」は中国料理の「東坡肉(トンポウロウ)」を遠い祖とするとも言われるし、国内でも豚の角煮を郷土料理とするのは、長崎の「東坡煮(とうばに)」、鹿児島の「とんこつ」、沖縄の「ラフテー」など九州・沖縄という大陸の食文化の影響を色濃く受けたエリアに多い。

もっとも国内にもそれ以前からマグロやカツオなどの「角煮」という調理法はあって、味つけも現代の豚の角煮に酷似していた。

味の流れで言うと、日本の魚の角煮と大陸から伝来した豚の角煮が家庭や飲食店、それぞれの比率でアレンジされ、融合した〝集合解〟が現代の「角煮」と言える。

そして現代の角煮において欠かせない相棒が、白飯、それに煮汁で味を入れた煮玉子だ。白飯のほの甘い味わいは、甘辛い角煮との相性がとてもいい。噛み込むと白飯の甘さが口内に広がっていき、豚の角煮の濃厚な味わいをやわらげてくれる。

一方、煮玉子は煮汁の味をいっぱいに吸って、角煮とはまた違ったテクスチャーを口内にもたらしてくれる。

この6月、東京・高田馬場の駅前、FIビルの地下に炊きたての羽釜ご飯を提供する「炊きたてあり〼」が開店した。一人前サイズの羽釜を注文後に火にかけ、炊き立ての羽釜ご飯を提供する定食店で、おかずは鰻の蒲焼きやとろろ、鮭いくらなどから選ぶ仕組みだ。

肉党ならば選ぶのは「角煮」一択。ほろほろにしすぎず、肉の質感を残した煮加減で、噛み心地がいい。もちろん味のしみた煮玉子だってついてくる。

角煮に煮玉子、炊きたて羽釜ごはん。素朴ながら心に沁みる食事に耽る。これもまたぜいたくな時間だ。

■松浦達也(まつうら・たつや) 編集者/ライター。レシピから外食まで肉事情に詳しい。新著「教養としての『焼肉』大全」(扶桑社刊)発売中。「東京最高のレストラン」(ぴあ刊)審査員。

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