ダッグアウトの裏側 ドジャースの地区３連覇は濃厚だが…Ｗシリーズ出場を左右する「先発投手陣」に故障者続出 グラスノーやカーショーの復活なるか

２５日にメジャー復帰登板予定のカーショー（ＡＰ）（夕刊フジ）

米大リーグファンの知人から先日、こんな質問を受けた。

「ドジャースは世界一になれるかな？　あの先発投手陣でポストシーズンは大丈夫なの？」

ドジャースはナ・リーグ西地区を独走しており、地区３連覇は濃厚な情勢。それでも心配になるのは、先発陣に故障者が続出しているからだ。右肩の炎症で６０日間のけが人リストに入っている山本はキャッチボールを再開。痛みや違和感はなく今季中の復帰を目指しているが、まだめどは立っていない。

トレード期限は米東部時間の７月３０日午後６時。チーム編成を担うゴームズＧＭも、ＭＬＢ公式サイトの取材に「ターゲットはインパクトのある先発投手」と補強ポイントとして認めている。

米メディアが獲得候補と報じているのは、オールスター戦に初出場した両左腕だ。タイガースのスクバルはすでに１１勝（３敗）しており、防御率２・３４はリーグ１位。ホワイトソックスのクロシェットは１９８センチの長身で、今季２７勝７５敗と低迷するチームで６勝（６敗）を挙げている。

野戦病院のような状態だったドジャース先発陣にも復活の兆しはある。腰の張りを訴えていたエースのグラスノーは２４日（日本時間２５日）のジャイアンツ戦に先発。翌日には通算２１０勝を誇る３６歳のカーショーが左肩手術から復帰して今季初登板の予定だ。実績のある両投手がローテーションに戻れば、冒頭で触れた知人も安心するだろう。

ただ、今季のナ・リーグは東地区のフィリーズが強い。両リーグ最高勝率の要因は安定した先発投手陣。ドジャースは球宴前の敵地３連戦でウィーラー、サンチェス、ノラを打ち崩せずスイープされた。頂点に立った２０２０年以来のワールドシリーズに進むには、倒さなければならない強敵だ。

グラスノーやカーショーが完全復活するのか、さらにトレードで先発陣を補強するのか。７月残り１週間のグラウンド内外の動向が、今季の行方を左右するかもしれない。　（元全米野球記者協会理事・田代学）