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高市早苗氏「闇バイト対策」でも存在感 安全保障政策全般に強み、党内足場固めも正念場 「ポスト石破」を念頭に政局の不透明感

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月22日 15時30分

調査会の初会合で発言し、存在感を見せた高市氏(夕刊フジ)

自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の初会合が21日開かれ、調査会長に高市早苗前経済安保相が就任した。調査会では社会問題化する「闇バイト」の抑止策のほか、インターネット上で世論工作や偽情報の流布を画策する「サイバープロパガンダ」対策も検討する。石破茂政権や自民党に世論の逆風が直撃し、「ポスト石破」を念頭に政局の不透明感が増すなか、安全保障政策全般に強みがある高市氏が存在感を発揮しそうだ。

「国民の命と財産をしっかり守り抜くという考えの下、調査会を進めていきたい」

会合の冒頭、高市氏はこう強調し、秘匿性の高いアプリケーションで強盗殺人など凶悪事件のメンバーを募る「闇バイト」などへの対策に強い意欲を示した。

岸田文雄政権で経済安保相を担い、「安倍晋三元首相の宿題」とされたセキュリティ・クリアランス(SC)制度の法制化を実現した高市氏だが、安倍政権下で自民党サイバーセキュリティ対策本部長も務め、2019年に「サイバーセキュリティ庁」設置を提言した経緯もある。

高市氏は警察の検挙率向上、秘匿性の高いアプリへの対策、防犯カメラ設置の補助などを論点に挙げ、記者団に「来月上旬には政府に対策を提言したい」と語った。

〝得意分野〟で実力を発揮する好機となる高市氏だが、政策論と並行して、党内での足場固めの正念場も迎える。

9月の自民党総裁選で、高市氏は1回目の投票でトップとなったが、決選投票で石破首相に逆転され、敗北した。石破政権の閣僚・党人事では党総務会長ポストの打診を固辞し、要職から離れていた。

10月の衆院選では応援要請が相次ぐ人気ぶりで、全国を駆け回ったが、総裁選で高市氏を支えた議員らは、石破首相が再燃させた「裏金問題」への国民の不信を払拭できず、相次いで落選した。

石破政権が少数与党に転落するなか、高市氏は政権批判を控えている。支援する議員らとの会食でも「党内が混乱し、ガタガタした状態が続けば野党になってしまう」と、結束を呼びかけていた。

世論の関心が高い社会問題を議論する調査会長就任で、再び注目される高市氏だが、周辺は「今後は強みの政策論をアピールする一方、同志の輪を広げる大事な時期になる」と語っている。

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